「おどる」心と涙雨と

 花巻まつりとの出合いは約30年前。中学校への入学と同時に花巻に引っ越して初めて観賞し、上品な雰囲気の祭りばやしと夜にいっそう映える豪華絢爛(けんらん)な山車のとりこになった。

 当時は粋がって繰り出し、出店が立ち並ぶ一角で、はやっていた人気漫画「ちびまる子ちゃん」のテレビアニメのテーマ曲「おどるポンポコリン」が大音量で流れていた。

 一世を風靡(ふうび)したこのアップテンポな曲は、花巻まつりと結びついて音の記憶として鮮明に残っている。毎年、まつりが近づくと必ず「ピーヒャラピーヒャラ パッパパラパー」の歌詞を口ずさんでしまうほどだ。

 今年4月に着任した花巻支局前は山車が運行し、メイン会場の上町にも歩いて行ける立地。まつりを3日間存分に楽しもうと心に決めていた。

 そんな矢先、漫画の作者で、作詞者でもあるさくらももこさんの訃報が入った。

 9月のまつりは雨に見舞われた。涙雨だったのだろうか。平成最後の花巻まつりを振り返り、物思いにふけった。

 今年は花巻まつりが市無形民俗文化財に指定された。新元号となっても、ファンの心に刻まれる、より一層親しまれるまつりになってほしい。

(新沼雅和)