NIEアドバイザー・山下 佳子

記録性、地域性に着目

山下 佳子さん

 今いる場所で災害が起こったら、命を守るためにどのような行動を取ればいいか、普段から何を備えればいいか、復興に向けてどのような取り組みがなされているか-などを知るヒントが新聞にはたくさん掲載されています。

 時代を記録していく新聞の「記録性」や、地元紙や地域版に見られる「地域性」を生かした取り組みができるのではないでしょうか。

 まず、災害や防災に関する記事を読んだり、スクラップしていくことで、発生した災害から①なぜそのような災害、被害が起こったか②被災地での課題は何か-を「知ること」ができます。

 ①に関しては、地形の特性や気象条件、人々の行動心理など各教科と連携した学びができるでしょう。さらに▽自分の地域でそのような災害が起こる可能性がないか調べる▽自分の地域で起こったらどのように行動すればよいか考える-などの学びにつなげていくことができます。

 地元で以前発生した災害は過去の新聞記事からも調べることができます。災害の規模だけでなく人々の行動や思いも記録されています。そこから▽再びその災害が起こる可能性はあるのか▽そうだとすれば防ぐ方法はあるか-を図書館でさらに詳しい資料を調べたり、地域の方や気象庁などの専門機関に問い合わせることで、より実践的な学びにつながります。

 ②に関しては▽今すぐできる支援を考える▽自分たちの備え(備蓄、訓練等)はそのような災害が起こっても対応できているか点検をする-という行動につなげることができます。

 復興教育や防災教育に限らず、新聞を入り口に学びの可能性は広がります。新聞の多種多様性を生かし、生徒一人一人の関心に応じた学びを展開することができるからです。

 教師は入り口となる資料の準備や、図書館や新聞社、外部機関との連携などで生徒の主体的な学びをサポートすることができるのではないでしょうか。


沼宮内高教諭 山下 佳子(やました・けいこ)

 02年、北上農高で教員生活をスタート。福岡高定時制、盛岡南高を経て、15年から沼宮内高勤務。岩手大教育学部の卒業論文、修士論文でNIEを取り上げ、教職に就いた後、新聞活用を積極的に行う。09年から日本新聞協会認定NIEアドバイザー。44歳。盛岡市生まれ。