雪の降り始めに車を運転するのは怖いものだ。毎年のことなのに、1年たつと感覚を忘れる。先日も、シャーベット状の雪が所々でわだちを作る夕暮れの道で、緊張で両肩が凝り固まった

▼片側1車線の峠道の先に5、6台の車が連なっていた。時速30キロ前後。先頭の車は殊の外慎重運転で、後続のドライバーがイライラしている様子が見て取れる。気づけば後方にも結構な長さの車列ができている

▼そのままの状態で法定速度で走れる見通しのいい道路に出た途端、後続車が湿雪を蹴散らして次々と先頭車両を追い抜いて行く。先頭は依然30キロ前後。後ろからあおられる気分に襲われつつ、何とか追い越した

▼慎重運転の主を見やると、女性がフロントガラスに額を付けるようにしてハンドルを握っていた。恐らく追い抜かれる方も怖い思いをしただろう。それと知らず、自分もあおっていたのではないかと気になった

▼雪道では自分のペースで運転できないことも多々。日本自動車連盟(JAF)がインターネットを通じて実施した2年前の全国アンケートで、本県はあおられることが「よくある」と答えた人の割合が高かった

▼「あおり」の状況は千差万別。見方を変えれば、場の空気に敏感な県民性なのかもしれない。雪はこれから。他者と他車への気遣いが、一層大事な季節がやってくる。