機材に恥じぬ腕前を

 4月入社とともに写真班に配属され、はや8カ月。夏には甲子園で全国のメディアと一緒にテレビで見かける大砲のようなレンズを構え、私もカメラマンの一員になったと実感した。

 カメラとレンズはプロ仕様で、1秒間に12こまの高速連写ができる。野球に疎くどこが決定的シーンか分からないので、とりあえず連写。たまたま写っていたが、1試合で通常の10倍の3千枚も撮ってしまった。

 後日、写真を保存するハードディスクがいっぱいになり、先輩方は「そんなにデータを入れたっけ?」と首をかしげていたが、私には心当たりがあった。来年はルールや各チームの特徴、これまでの歩みを頭にたたき込んで臨みたい。

 9月のいしがきミュージックフェスティバルでは、熱気あふれる様子を収めようと2台のカメラを肩に下げて撮影。一段落して椅子に座ろうとしたときだった。「スルッ、ガシャン」。片方のカメラを石畳に落としてしまった。

 プロ仕様のカメラは防じん・防滴で頑丈だが、目の前にはさすがにくの字に曲がったカメラとレンズ。「うわー。やらかした」と青ざめた。カメラを失ったカメラマンは「ただの人」と、慎重な扱いを肝に銘じた。

 右往左往し「カメラに撮ってもらった」カメラマン1年目。来年は腕を“プロ仕様”にしていきたい。

(石森明洋)