認知症高齢者の増加などを背景に成年後見制度の需要が増す中、県内の市民後見人の数が伸び悩んでいる。自治体は養成講座を開くが、2016、17年度の盛岡市の講座修了者107人に対し、実際に後見に就いた人はゼロ。職責の重さなどからハードルは高い。設立10年の記念集会を1日に開くNPO法人成年後見センターもりおか(盛岡市、理事長・石橋乙秀弁護士)など後見活動の実績を持つ機関や、地域と行政の連携が求められる。

 盛岡広域8市町と同法人が11月に開いた養成講座。盛岡市内の福祉施設職員が「本人の思いを読み取る決定ができるよう心を寄せてもらいたい」と後見人の心得を伝える。15人の受講者は熱心に耳を傾けた。

 成年後見制度は認知症や知的、精神障害などで判断能力が十分でない成人のため、家裁が選任した後見人が財産管理や福祉サービスの契約など法的な後ろ盾となる仕組みだ。最高裁などによると、17年末時点で全国21万290人、盛岡家裁管内1715人が利用。需要は年々増えている。

 後見人は弁護士ら専門職が多い。対する市民後見人は制度利用拡充のけん引役として期待されるが、実際に就く人は少ない。全国で17年に後見人に選任された約3万6千件のうち、市民後見人は300件弱だ。

 石橋理事長は「個人の後見は負担が大きく、裁判所が安心して選任できるよう市民後見人をサポートする体制が必要だ。インターンとして法人で実務経験を積む支援の形も考えられる」と連携を提案する。