県と県歯科医師会(佐藤保会長)は、北上市で4月に発生した男児虐待死事件を受け、子どもの虐待防止に向け対応を強化する。複数の虫歯放置は把握の手掛かりとなる点に着目し、年度内に歯科医対象の初の研修会を企画。検診などで子どもと接する際のノウハウを養い、歯科医療の現場から児童相談所(児相)へ迅速かつ的確につながる環境を目指す。

 研修会は県内の歯科医100人規模の参加を想定。専門家を招き、育児放棄(ネグレクト)が疑われる具体例や関係機関に通告する際の判断目安などを学ぶ。県は月内にも同会と委託契約を結び、本格的な準備に取りかかる。

 県福祉総合相談センター(盛岡市)が虐待で保護した児童の歯科検診結果(10~15年)をまとめた同会のデータでは、虫歯の平均本数が一般児童に比べ15倍程度に上った。保護者が子どもの虫歯を治療せず重症化させる要因は経済的な困窮などさまざまだが、ネグレクトを受ける子どもに多い傾向がある。