本県の今年のサンマ漁は、記録的不漁だった昨年から復調し、浜に安堵(あんど)感が広がっている。県水産技術センター水産情報配信システムによると、6日までの数量は1万9266トンで前年同期の2倍以上。前年の最終(約1万4千トン)も既に超えた。数量増で価格もやや下がり、3年連続の不漁で今期を正念場と構えていた加工業者は胸をなで下ろし、食卓にも「庶民の味」が戻ってきた。ただ、震災前よりは1万トン以上少ない状況で、漁業者は三陸への来遊が増える今月の上積みを期す。

 7日は宮古市臨港通の市魚市場に6隻が98トン、本州一の水揚げを誇る大船渡市大船渡町の市魚市場には5隻が188トンを水揚げした。各市場の6日までの数量は宮古3385トン、大船渡1万3555トン。どちらも前年の最終(宮古約1300トン、大船渡約1万1千トン)を上回っている。

 不漁の過去3年間、原料不足に悩まされた同市大船渡町の水産加工業・阿部長商店大船渡食品の大畠正広工場長(54)は「去年があまりにも不漁だった。今年も決して良いわけではないが、一安心している」とほっとした様子。「今年は手頃で質の高いサンマが多く、消費者に戻ってもらえるよう巻き返したい」と期待を高める。