県内で冬支度が進む中、原油価格の高騰がさまざまな現場に影響を与えている。農家はビニールハウス栽培の燃料となる灯油の値上がりを受け、暖房費を節約して保温性を高める方策に苦心。一方、エアコンやまきストーブなど灯油を使わない暖房器具に注目が集まり、取扱業者からは「好機」との声も聞かれる。いかにこの冬を乗り切るか、県民それぞれがやりくりを熟慮することになりそうだ。

 八幡平市湯の沢の温室ハウス。新岩手農協八幡平花卉(かき)生産部会副会長の伊藤重人(しげと)さん(45)=同市荒屋新町=は来年1月からリンドウの苗のポット栽培を始める。常時稼働させる灯油暖房機と、電気熱でポットを温める温床マットを併用。暖房の熱を最大限活用するため、ハウス内に小型ハウスを建てて二重構造にする。

 灯油は2~3月のピーク時に1週間で約千リットル使うこともあり、伊藤さんは「灯油の価格が上がるのは悩ましいが、その中でもできるだけ効率良く温度管理していくしかない」と試行錯誤を重ねる。

 菌床シイタケをハウス3棟で栽培している久慈市夏井町の生平(おいたいら)祝子(のりこ)さん(51)も燃料が灯油の温風機を各ハウスに設置。日中はエアコンも使い灯油代を節約するほか、12月にはハウス側面に気泡緩衝材を取り付けて暖房効果を高める。

 生平さんは「明け方は温度が下がり既に温風機を動かしている。内部の温度を一定に保つことが良品の出荷に欠かせない。ある程度の灯油代出費は仕方ない」と独自の対策を進める。