大槌町の旧役場庁舎内のアスベスト(石綿)除去工事をめぐり町は5日、工事を随意契約とした理由を「健康被害を未然に防ぐ緊急性があるため」と説明した。町は東日本大震災以降、公共工事などの随意契約について契約金額や業者の選定理由などを公表してこなかったことが判明。国の入札契約適正化法施行令で一部の少額契約などを除き公表が義務付けられているが、町側は「失念していた」とした。

 町は10月31日、粉じんになる程度が「高い」レベル2の石綿除去工事について、北上市の廃棄物処理業リックス(五ノ井稔社長)と随意契約を締結。契約時の発表では選定理由などを公表せず、5日の記者会見で沢舘和彦副町長が「(同社は庁舎内の状況を)熟知している」などと説明した。情報を公表しなかったことについて、岡本克美財政課長は「(法令の)認識が不足していた」とした。

 町によると、震災前は公表指針(ガイドライン)を内規で定めて随意契約を公表していた。だが、震災で指針などが流失したため、震災後は全ての随意契約を公表していないという。

 旧役場庁舎の解体工事では、法令の認識不足による手続きの不備が相次いでおり、町当局の姿勢が問われている。