女性活躍をうたう社会で、輝いている女性はどのくらいいるのだろうか。15~64歳の女性の就業率は7割に達し、出産・子育て世代も確実に伸びている。企業の人手不足を背景に、仕事と育児の両立支援など働きやすい環境づくりも進む。働きがいやキャリア形成を意識するなど女性自身に変化も表れている。

 「子どもが幼いから責任のある仕事は負担に感じていた。今となれば役職が自分を育ててくれたと思える」「管理職に就いて行き詰まることもあるが、部下の成長を通して自分の視野も広がった」

 盛岡市内で開かれた女性向けワークライフバランス講座で、金融機関や介護現場などで管理職を務める子育て中の女性3人が体験を語った。

 受講したのは県内の企業・団体で働く30人余り。「自分を高めたい」と多くが参加動機を語る中、「管理職で働くイメージがわかない。責任だけが重くなるのでは」「周囲のサポートをあまり得られないが、自分の働き方を工夫したい」「こういう場に男性管理職が出てきて理解を深めてほしい」との声が上がった。

 少子高齢化で労働力不足が懸念される。2016年4月施行の女性活躍推進法は「わが国最大の潜在力」である女性が、働く場面でその個性と能力を十分に発揮できる社会の実現を目指す。

 従業員301人以上の企業は、女性の採用割合や管理職比率など現状を分析し、数値目標を盛り込んだ行動計画策定が義務付けられた。努力義務とされる中小企業にも関心が広がり、一定の評価項目を満たすことで受けられる国の「えるぼし認定」は、中小企業含めて県内9社だ。

 県は、女性活躍に向けて独自の認定制度を昨年10月にスタートし、この1年間で29社認定。部下の仕事と生活の両立を後押しする「イクボス」普及も図り、県内54社でイクボス宣言した。企業にとっては、人材確保・定着に際してアピールする手段にもなるだろう。

 女性の就業率が7割とはいえ、そのうち約半数を非正規雇用が占める。働き方を含めてその価値観は多様で、子育て世代ではライフスタイルに合わせて非正規を選択する人も少なくない。しかし、正規雇用を望んでかなわないケースも多く、輝きたくても輝けない現実があることを置き去りにしてはならない。

 それでも「活躍」の掛け声を前向きにとらえたい。長時間労働を是正し、男女とも家事や育児などに参画しやすい職場になるか、企業側の実行力が問われている。男性の意識改革はもちろん、働く女性自身も意欲やスキルの向上がより求められよう。着実な歩みが、後に続く道となる。