大船渡市三陸町吉浜の小正月行事「吉浜のスネカ」の国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産登録が決定した29日、約200年間、伝承に取り組んできた集落は喜びをかみしめた。人口減や高齢化が進む中、近年は地区外の男性が装束を調える作業に協力。地元吉浜中の生徒も活動に参加する。多くの力と思いに支えられ「世界の宝」になった吉浜の文化。「年に1回の風習で見せ物ではない」と、従来と変わらぬ形で継承していく。

 登録が決定した29日夕。知らせを受けた大船渡市は、三陸鉄道吉浜駅に決定を祝う看板とのぼり旗を設置した。横6・5メートルの看板を見た駅利用者は「決まったんだ」「すごい」などとうれしそう。同市三陸町吉浜の三笠恵子さん(80)は「毎年楽しみにしている行事の魅力が伝わり、うれしい」とほほ笑んだ。

スネカの無形文化遺産登録を心待ちにしてきた吉浜中の生徒ら。継承の大きな力となっている=大船渡市三陸町吉浜

 吉浜の人が支えてきたスネカ。装束はかつて地元住民が手掛けていたが、人手不足で困難になってきた。そこで山を隔てた地区のわら細工の名人、同市三陸町越喜来(おきらい)の片山喜吉(ききち)さん(85)が助っ人となった。

 高齢化が進む約470世帯の吉浜地区で、人的に継承を支えるのが吉浜中生。後継者不足などを背景に2002年ごろから吉浜スネカ保存会(柏崎久喜会長)の活動に参加する。千葉大夢(ひろむ)さん(3年)は「スネカは自分たちの地域にしかない誇り」と目を輝かせる。