一関地方といえば、もち文化が有名だ。テレビのバラエティー番組から「もちをつまみに、晩酌している人を知らないか」と問い合わせを受けた知人は「そんな人はいないだろう」と苦笑いしていた

▼テレビ的には「面白い」ことが重要で、デフォルメすることも許容されるとは思うが、程度の問題だ。なかったものを、いかにもあったかのように放送するのは明らかにルール違反。もはや「でっち上げ」だ

▼日本テレビのバラエティー番組「世界の果てまでイッテQ!」のやらせ疑惑は、何ともお粗末だ。架空の祭りをねつ造したと週刊誌が報じ、局側も「企画の確認が不十分なまま放送した」と認め社長が陳謝した

▼「やらせとの認識はない」と釈明しても、テレビの前で腹を抱えて笑っていた視聴者は一気に興ざめだ。報道ではなくバラエティーだから-と制作者側に甘えやおごりがなかったか。だとしたら、随分ばかにされたものだ

▼脚本家の倉本聡さんは「大きなうそはついても、小さなうそはつくな」と後輩たちを厳しく指導した。ドラマという「大きなうそ」を、いかに本当のように見せるか。そのために細部のリアリティーには徹底的にこだわった

▼自分たちの番組への思い入れ、専門家としての自負がなければ、よい作品はつくれまい。これは、どんな仕事にもあてはまるはずだ。