漆をテーマとしたイベント「漆DAYSいわて2018」(県主催)は23、24両日、盛岡市盛岡駅西通のアイーナで開かれている。人間国宝の漆芸家ら専門家による講演や、県内職人の製品の展示販売などを通し、国内一の産地・岩手を発信。国宝などの文化財修復に国産漆を使用する国の方針が示され、県内で増産に向けた取り組みが加速する中、文化、産業両面での振興の可能性を探る。

 生産者や職人、デザイナーなどの関係者、一般のファンが来場。蒔絵(まきえ)の第一人者である人間国宝の漆芸家・室瀬和美さんが基調講演した。

 室瀬さんは、湿度や温度変化に敏感だがプロには扱いやすく、耐久性に優れた国産漆の特性や文化財補修の現場を紹介。「日本の伝統文化、漆文化への関心が世界でかつてないほど高まっている。国内では文化財補修に使う漆をすべて国産とする方針となり、増産の必要がある」と語った。

 国産漆は2015年、文化庁が国宝などの修復に使用する方針を打ち出し、需要が急増。漆器業界の既存需要もあり、増産が求められている。国産の約7割を占める浄法寺漆を生産する二戸市は本年度、遊休農地の所有者に苗木を提供し、成長後に買い取る事業を開始。県内外の林業者、企業経営者有志は盛岡市などの山林に植林し、機械で採取することで量産を図る取り組みにも乗り出している。