本県の北上山地(北上高地)への国際リニアコライダー(ILC)の誘致実現を見据えた第4回ILC技術セミナーは22日、一関市萩荘の一関高専で開かれた。茨城県つくば市の高エネルギー加速器研究機構(KEK)の研究者や同校の学生らが企業関係者らに最前線の技術を解説した。

 東北ILC推進協議会(東北ILC準備室)といわて加速器関連産業研究会が主催し、市内外の企業関係者や学生ら約60人が参加。同校の阿部優樹さん(生産工学専攻2年)やKEK加速器研究施設の早野仁司教授ら4人が講演した。

 ILCは地下約100メートルのトンネルに直線型加速器(初期整備延長約20キロ)を設置し、宇宙誕生の謎を解明しようとする国際プロジェクト。電子と陽電子を超電導加速空洞でほぼ光速に加速させてぶつけ、未知の物質や働きなどを調べる。

 阿部さんは同空洞内に納める筒形断熱容器「クライオモジュール」の土台に設置して同容器の位置を調整するアクティブムーバーの研究を紹介。調整の誤差を抑えるために、KEKや同市の企業などと協力して取り組んだ共同研究について「加速器分野の研究は単独戦ではない。産学官が連携するきっかけは意外なところにある。大学院から始めるような経験を一関高専在学中にできたのは貴重だ」と意義を語った。