競走馬からの禁止薬物検出が相次ぎ、レース休止中だった岩手競馬が24日から再開されると発表された21日、ファンや厩務(きゅうむ)関係者らはようやく示された道のりに胸をなで下ろした。県競馬組合(管理者・達増知事)は再発防止策や水沢所属馬の事前検査などで「公正確保」を強調する。休止が長引けば存続に関わるが、原因は分からない。再発の不安と緊張に覆われたまま、現場は走り出す。

 「公正な競馬開催できる体制が整ったと判断し、24日から再開する」。盛岡市の盛岡競馬場で行われた記者会見。内宮明俊副管理者は、緊張の面持ちで▽監視カメラの本格稼働▽24時間警備▽自衛策強化-に加え、水沢厩舎(きゅうしゃ)の所属馬に限り出走前の検査を行い、陰性馬のみ出走させて公正を確保する考えを示した。

 4頭から薬物が検出された奥州市の水沢競馬場では21日、場外馬券を買い求める客の姿がちらほら。ファン歴50年以上の同市前沢白山の農業佐々木重勝さん(86)は「レースが始まれば地元の騎手が出る。応援のしがいがあり、にぎわうだろう」と地元の活性化を期待した。

 前代未聞の混乱が続く岩手競馬。県民の受け止めは複雑だ。盛岡市向中野の会社員佐藤恵美さん(34)は「岩手競馬は長年愛されてきた。再開はうれしいが、原因はまだ解明されていない。本当に再開して大丈夫か」と不安を口にする。