トヨタ自動車東日本岩手工場見学のメモを基にはがき新聞作りに取り組む北松園小の5年生

 「見学させてくれた工場の人に、学んだことを伝えよう」。盛岡市の北松園小(中村亙校長、児童257人)5年生43人は、社会科見学で訪れた金ケ崎町のトヨタ自動車東日本岩手工場の学習をまとめ同社に送るはがき新聞を15、16の両日、3こまの授業で製作した。児童は相手意識を持ち分かりやすい文章を心掛け一字一字丁寧に用紙に書き込んだ。

 社会科の単元「工業生産を支える人々」の一環として児童は14日、岩手工場と北上市の白金運輸・北上流通加工センター、東北KATを訪問し自動車ができるまでの工程や環境への配慮を学習した。

 はがき新聞作りは、印象に残った3項目をメモから抜き出す作業から始まる。児童は見学のしおりを開き「無人搬送機」「雪を使った環境に優しい冷房」「人とロボットの仕事分担」「塗装や検査の方法」など記事にする内容を考えた。

 次に項目に沿い事実を170字、感想を80字で下書きし、A4判のはがき新聞用紙に鉛筆で書き写す。担当教諭が確認した後、ペンで清書。はがきサイズに縮小し完成だ。

 生産台数に関心を持ち、従業員の仕事に対する情熱に感動したという辛龍人(かのとりゅうと)君は「事実と感想をきちんと分けるように頑張った。見たり聞いたりしたことを書く新聞作りは大好き」と笑顔。無人搬送機や環境への配慮をまとめた海上心寧(うながみここね)さんは「短い文は大変だけれど、文章を考える新聞は面白い」と熱心に鉛筆を走らせ、藤井愛瑛(まなえ)さんも「載せたい順に番号を付けた」と工夫を凝らして記事を仕上げた。

 児童は見学前、岩手日報社員から「質問(取材)の仕方とメモの取り方」を2こまで学んだ。▽質問を準備する▽キーワードを見やすく書く▽矢印や記号を使う-といった効率的なメモの取り方を身に付けた。

 小田桐楓雅(ふうが)君と下野杏華(しものきょうか)さんは「重要な点を急いで書けた」「矢印や記号を使いメモをいっぱい取れた」と、びっしり埋め尽くした見学のしおりを見せ合いながら記事を考えていた。

 田村勝副校長は「本年度3回目のはがき新聞。文種を分けた書き方は、ぐっと上達した」と目を細めた。


藤村教諭 社会と国語を同時に学習

 5学年学年長の藤村ゆかり教諭(48)に、はがき新聞作りの狙いや効果を聞いた。

 はがき新聞の活用で、社会科の見学まとめと国語科の要点を押さえ文章を短く書く学習が一緒にできる。

 小さな紙面に収めるため子どもたちは漢字を使い文字数を減らそうとする。その過程で「漢字で表現した方が分かりやすい」と気付く。漢字を使うことへの面倒くささが「漢字を使い表現したい」という気持ちに変わってきている。

 書く力もつき、「すごい」「よかった」などといった感覚的な言葉から、「何が」「どのように」と表現を工夫するようになった。相手意識を持ち、分かりやすく、コンパクトにまとめる活動の成果だ。

 学力検査などは字数制限があることを伝え、短い文章を書く意味を理解させている。

 メモ講座も効果的で「新聞を書くぞ」という意識付け、要点を押さえて人の話を聞く姿勢につながった。「全てメモをしなくていい」と苦手意識も解消し、見学では真剣に話を聞きメモを取り、記事が充実した。

(談)