【東京支社】20日に都内で記者会見した国際リニアコライダー(ILC)を推進する研究者らは実現の意義を強調し、慎重意見が目立つ日本学術会議の検討委に軌道修正を促した。疑問を投げかけられた巨額経費の国際分担については「研究者間などの非公式協議で検討を続けており、政府判断後に正式協議が始まる」と理解を求めた。検討委側の対応が注目される。

 県立大の鈴木厚人学長、東京大素粒子物理国際研究センターの山下了特任教授、九州大理学研究院の川越清以(きよとも)教授、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の岡田安弘理事、県ILC推進協議会長の谷村邦久県商工会議所連合会長らが席を並べ、意見を述べた。

 谷村会長は「検討委の回答案はネガティブ(否定的)な面が強調されている。ILCの波及効果は地方創生、人材育成などとして現れる。一層受け入れ態勢の整備に努め、多様な効果を引き出し、日本、世界に貢献する」と強調した。

 費用の国際分担について「見通しがない」と指摘している検討委に対し、山下氏は「研究者間の(非公式の)分担案では日本側の負担は半分程度だ」と説明。「日本政府が正式な協議を始めると判断後、国際協議が始まる。その後に経費分担など諸条件が整わなければ引き返すことは可能だ」と理解を求めた。

 川越氏はさまざまな分野の学術コミュニティーへの説明について「学生や研究者らへの講演会などを多数開いてきた。今後も継続するなど諸分野への対話を促進し、共通理解が得られるよう最大限努力する」と述べた。