【東京支社】国際リニアコライダー(ILC)計画を推進する研究者や経済団体は20日、東京都内で記者会見し、日本学術会議の検討委が14日公表した回答案に対し「事実誤認や理解不足がある」と共同で意見表明した。国内誘致の意義について「新技術に挑戦する人材創出効果、民間での新技術の誘発など実績を評価してほしい」などと訴えた。

 高エネルギー加速器研究機構(KEK、茨城県つくば市)のILC推進準備室、東北ILC推進協議会に関係する研究者や経済人らが出席。19日に日本学術会議に提出した意見・説明書を公表した。

 回答案はILCの主要な研究課題となるヒッグス粒子の精密測定について「素粒子物理学の他の課題に比べ優先性があるかは、当該分野の研究者コミュニティーでもコンセンサス(合意)が形成されていない」と指摘。これに対し「高エネルギー物理学研究者会議などでILC建設を求めている」と反論し、回答案は「事実誤認」と指摘した。

 「波及効果は限定的」との記述に対しては「正確な理解が必要で、見解が一方的すぎる」と強調。議論の現状は「日本政府が建設の承認を判断する段階ではない。研究者主導の非公式協議から一歩踏み出し、政府間協議を正式に開始するか判断する段階だ」との認識を求めた。

 検討委は21日、非公開で会合を開く予定。会見で県立大の鈴木厚人学長は「ILCは素粒子物理学や地域、産業への貢献など意義がある。検討委には正しく理解し、公正な評価を期待したい」と語った。