日本を代表する企業に衝撃が走った。19日、東京地検特捜部に金融商品取引法違反の疑いで逮捕された日産自動車のカルロス・ゴーン容疑者(64)。危機に陥った企業を立て直した手腕は「神話」と称され、カリスマ経営者の地位を不動にする中、有価証券報告書へ過少に記載したとされる報酬は約50億円に上る。近年は検査不正も発覚。社会的信頼を根底から覆す事態に、社員や生産現場は「会社はどうなるのか」と戸惑い、県内の販売各社や一般のユーザーもブランドへの影響を懸念した。

 巨大企業・日産自動車トップ逮捕のニュースに、県内の日産販売各社は情報収集に追われた。日産プリンス岩手販売、岩手日産自動車、盛岡日産モーターの各社とも同日午後6時半時点では横浜市の本社から連絡はなく、テレビやインターネットを通じて情報収集に努めた。

 各社の担当者は「日産本社からの説明を待っている段階で、何もコメントできない」「ニュースで初めて知った。今は事態の推移を見守るしかない」「お客さまからの問い合わせにきちんと対応できるようにしなければならないが、現状では何も分からないと申し上げるしかない」と一様に当惑していた。

 長年、同社の車を愛用してきた消費者からは、怒りや驚き、ブランド力低下を懸念する声が上がる。盛岡市の会社員斉藤有紀さん(39)は「20年近く日産車に乗ってきた。代表者の評価は車のブランドイメージに影響する。製品に罪はないので乗り続けるが、一生懸命やってきた社員の士気の低下が心配」と指摘する。