川崎市の写真家新井卓(たかし)さん(40)は、拠点とする遠野市を舞台に制作した映像詩「オシラ鏡」をイタリアの第72回サレルノ国際映画祭(26日~12月1日)に出品する。かつての自身になぞらえた新進気鋭の写真師が、写真黎明(れいめい)期の写真技術で遠野物語の世界を映し出すストーリー。自然と伝統が息づく民話の里のなまめかしい側面を映像と音で表現した。新井さんは「無形の遠野の魅力を世界に発信したい」と自信を見せる。

 作品は雪が舞う同市附馬牛(つきもうし)町がメイン舞台で、昨年12月~今年4月に撮影。脚本と撮影監督も自ら担った。娘と馬の悲運の恋物語「オシラサマ」を切り口に遠野の自然と伝統芸能の美しさを掛け合わせ、神秘的な世界へといざなう20分の作品に仕上げた。

 出品するサレルノ国際映画祭は、1984年制作の映画「遠野物語」が同映画祭で最高賞を受賞。遠野、サレルノ両市は同年に姉妹都市を締結し、遠野市は同映画祭で優れた外国映画作品に毎年「遠野賞」を贈るなど、文化芸術分野での交流を続けている。