【東京支社】14日に開かれた日本学術会議の国際リニアコライダー(ILC)計画に関する検討委と分科会の合同会議では、誘致実現に向けたさまざまな課題を突く回答案が示された。一方、科学者間の合意形成の現状など複数の点に関して、記述の修正を求める意見が委員から上がった。今後、さらに検討を加えて見解を固め、最終段階の政治判断に委ねられる。

 ILCの主要な研究課題となるヒッグス粒子の精密測定について回答案は「素粒子物理学の他の研究課題に比べ優先性を有するかは当該分野の研究者コミュニティーにおいてさえ、コンセンサスが形成されている状況にない」と記述。これに対し委員から「高エネルギー物理学の研究者が合意形成しており、表現がきつすぎる」と修正を求める意見が出た。

 国際経費分担について「見通しなしに日本が誘致決定に踏み切るのは危険」との記述には「日本政府の意思表明後でないと適正な経費分担の交渉はできないという意見もあり、さらに協議が必要だ」との問題提起がなされた。

 検討委は今後、最終案をまとめ、日本学術会議の幹事会の了承を経て文部科学省に提出する予定だが、慎重な意見となることが予想される。

 超党派のリニアコライダー国際研究所建設推進議員連盟(会長・河村建夫衆院議員)は誘致実現に向け、政府への働き掛けを強める方針。

 幹事長の塩谷立衆院議員(自民党)は「日本学術会議の決定が政府の最終決定になるわけではない」と語り、政治判断による実現を求めていく姿勢だ。