幅広い世代に人気のハンバーグレストラン「びっくりドンキー」。1号店は岩手県盛岡市にある「ハンバーグレストラン ベル大通店」。全国の店舗のうち、なぜこの店だけ「ベル」なのだろうか。

 びっくりドンキーは株式会社アレフ(本社札幌市、庄司大社長)が全国44都道府県で300店舗以上を展開。ハンバーグを基本とした親しみやすいメニューと「一つとして同じ店構えはない」というほど、個性的な内外装が人気だ。

 1号店は1968年、盛岡市に「ハンバーガーとサラダの店 べる」として誕生した。当時の面積はわずか13坪。同社によると、店の名前が「ベル」なのは、一時はプロのミュージシャンを目指していた創業者の庄司昭夫社長が打楽器「カウベル」をイメージして命名したという。当時から「手作りの温かさを表現したい」とスタッフが内装を手掛けたことがきっかけで、現在の店舗ごとに内装が異なるスタイルに発展している。

 「ベル」の初代店長で、3年前まで「名物ドアマン」として店先で接客していた佐々木重政さん(76)は「店の飾りも『おもてなし』の一つ。どこを見ても飽きない内装で、あちこち眺めている間に食事が来るような楽しい店を心掛けた」と振り返る。

 その後、同社は拠点を札幌市内に移し、市内にハンバーグレストラン「びっくりドンキー」を開業。木製ワンプレートでおなじみのハンバーグレストランとして全国展開がスタートした。ユニークな店名は「聞いた人が笑顔になる名前にしたい」と、英語でロバという意味がある「ドンキー」を使って命名。ゆっくりでも着実に歩みを進めるロバのように店を育てていきたいという願いも込められていた。

 1号店「ベル」は創業50年。観光客らも訪れる盛岡市内の人気スポットの一つになっている。現在もこの店だけ当時の名前を残しているのは「創業時の思いを大切にという意味合いを込めている」(同社)という。