暗くなった校舎内で、いつまでも明かりが消えない職員室。「先生方、頑張っているのだろうな」。外から眺めるだけでは、様子はうかがい知れない。だから、分からない。長時間労働で教員が疲れ果てていることを。

 教員の8割が業務に関連するストレスや悩みを抱えていることが2018年版過労死等防止対策白書で明らかになった。その理由は「長時間勤務の多さ」(43・4%)が最多。校種で違いはあるが、1日の平均勤務時間は11時間17分に上る。職種別では副校長・教頭が12時間33分と最も長く、教諭は11時間30分。

 「生徒の前に立って話す1こまの50分間。1日に3、4こまを持つと、正直言ってくたびれる。本気になって授業ができない」

 ある教員がこぼす一日は授業のほか、朝から昼時間、放課後まで委員会や部活動指導、授業準備、校務で埋まる。受験期ともなれば合間を縫って小論文や面接、教科の個人指導も並行。生徒の活躍や進路が、学校や教員自身の「存在価値」にもつながる空気にプレッシャーも掛かる。

 白書では、部活動指導に関する悩みも中学、高校で4割程度あがる。平日朝や放課後に加え、土日も練習、試合、大会。顧問として部活動指導に奮闘し、夫が家庭にいないかのような状況の妻を指して「部活未亡人」という言葉さえある。

 ツイッターでは「#(ハッシュタグ)」を付けて「ブラック部活動」「部活離婚」など物騒なキーワードとともに、「休み返上で、先生とその家族も疲弊する」と悲痛な声がつぶやかれている。

 意欲に燃え、注力する教員も多いが、負担感は大きい。部活動指導を巡っては国が示す週2日以上の休養日設定をはじめ、県内でも校外指導員の配置などを図っている。

 また、タイムカード導入による勤務時間把握、学校閉庁日設定などを盛り込んだ働き方改革プランが進む。しかし、早い帰宅を促されても仕事の総量が変わらなければ持ち帰りが増えるだけとの指摘も。県立学校教職員の5人に1人が月100時間を超えて時間外労働する実態は早急に解消しなければならない。

 ところで、教員を悩ます業務の一つに、保護者・PTAへの対応があるという。保護者からの電話が深夜の数時間に及び、泣く泣く応対したケースは極端にしても、相談や問い合わせなどに神経をすり減らす声をよく聞く。

 「頑張れば、子どもが伸びる。教師のさがで手を抜けない」と授業や部活動へと向かう教員。尊い。しかし、生き方や幸せを身近に伝えるはずの教員の多忙な姿は、子どもたちにどう映るのだろうか。