【山形県上山市で報道部・佐藤成人】本年度の北海道東北地方知事会議(会長・高橋はるみ北海道知事)は31日、山形県上山市で開かれ、国際リニアコライダー(ILC)計画の実現を求める決議を全会一致で採択した。同会議としてILC実現に特化した決議は初めて。政府による誘致の可否判断が迫る中、年内に前向きな方向性を表明するよう「8道県の総意として強く求める」との文言を盛り込んだ。近く国に要望する。

 北海道、東北6県と新潟県の知事らが出席し、ILC決議は達増知事が提案した。決議は国に対し、ILC関連投資など国際分担に関する考え方を早期に明示するよう促し、国際科学技術イノベーション拠点形成や地方創生の観点からの検討も求める。

 達増知事は「来年1月から検討が本格化する欧州の素粒子物理5カ年戦略にILC計画が盛り込まれるためにも、今が正念場だ」と強調した。村井嘉浩宮城県知事も「多くの外国人が東北を訪れ北海道、新潟にも大きな波及効果がある。8道県の総意として取り組みたい」と発言。全員が決議に賛成した。

 同会議はこれまで、震災復興に関する提言項目の一つにILCを盛り込んできた。今回初めて決議として独立させ、8道県一体で実現を求める姿勢をより強く打ち出した。

 会議後、高橋知事は報道陣に「世界的にも重要な計画。(誘致を)北海道、東北の枠組みでしっかり支えたい」と強調。議長を務めた吉村美栄子山形県知事も「震災や地震で大きな被害を受けた東北、北海道の発展や希望につながる」と期待した。

 達増知事は「ILCの名を冠した決議の意義は大きい。各知事や東北の関係団体に呼び掛け、早急に政府に要望したい」と語った。

 会議では、北海道胆振(いぶり)東部地震や東日本大震災からの復興に向け着実に取り組み、災害に強い広域交通網の整備を加速するよう国に求める決議も採択した。次回は来年度、新潟県で開く。