奥州市教委は5日、同市前沢山下の専念寺(せんねんじ)=野中宏倫(こうりん)住職=の木造阿弥陀如来坐像が、平安時代後期の11世紀後半から12世紀に作られたものと確認したと発表した。奥州藤原氏時代の前に作られた可能性がある。

 市教委によると、昨年度から行う仏像調査の一環で9月、東北大大学院文学研究科の長岡龍作教授(東洋日本美術史)らが現地で詳しく調べた。

 仏像はカツラを使った一木造り、像高73センチ。同市の黒石寺の国指定重要文化財・木造僧形坐像(1047年)も同様の作り方をしており、奥州藤原氏時代の木材をはぎ合わせた寄せ木造りと異なり安倍、清原時代に制作された可能性もある。頭頂部の隆起した肉髻(にくけい)の彫り方などに天台宗の影響が認められるという。

 市教委歴史遺産課の川田啓介上席主任学芸員は「県内で藤原氏以前の仏像の確認例は少ない。保存状態がよく非常にきれいに管理されている」とする。長岡教授は「平泉の仏像との共通性もあるので、制作年代についてはさらに検討が必要」とする。周辺地域で作られた可能性もあり、研究の進展が期待される。