「政治とカネ」は時折俎上(そじょう)に上るが、「スポーツとカネ」の問題を耳にすることも多くなった。世界的規模のイベントの場合は、それに要するお金のあまりの巨額さに目をむくことがある

▼2019年ラグビーワールドカップの試合会場となる釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムの整備費が概算から9億円超増え、48億円以上に膨らむ見通しとなった。これに伴い、県と市の負担も6億円増えて14億円となる

▼世界大会に対応できるように設備増設や仕様変更が迫られたためだが、あらかじめ想定し、他の部分を節約できなかったのだろうか。いずれ、財源の捻出について知恵を絞り、理解を得るよう努めてもらいたい

▼こちらは桁違いの金額だ。2020年東京五輪・パラリンピックに対する国の支出が、約1500億円から約8千億円に膨張した。1兆3500億円としている経費総額は、3兆円に達する可能性があるという

▼会計検査院が調べた結果、大会組織委員会公表の直接経費の他、関連する事業の費用が膨大にあった。「天然痘ワクチンの準備」など関連性の薄い事業も含むため、政府関係者は「乱暴な積算」と反発するが…

▼そうであれば経費の透明性を高め、説明していく必要があろう。「五輪とカネ」を巡る問題が、競技を心待ちにしている国民の思いに水を差さないようにしてほしい。