岩手大教育学部(遠藤孝夫学部長)は、東日本大震災の教訓を踏まえた新たな学問領域となる「学校安全学」の創設に動きだす。第1弾として11月に関連のシンポジウムを開催するほか、来年度からは教職課程で独自科目を編成。震災で得た学校の危機管理や事前の防災教育の重要性などの教訓を、体系的かつ実践的な学問として構築し、教員養成や現場の研修に役立てる。将来的には同学部の付属機関となる「学校安全学研究開発センター(仮称)」の設立も構想しており、同分野における全国の拠点を目指す。

 11月3日に開催予定のシンポジウムは「教師教育の充実に向けた『学校安全学』の構築」をテーマに、県内外の教育関係者や学生ら約200人が参加予定。県内の小中高で実践している防災教育を発表するほか、文部科学省や大学、県教委の関係者が討論する。

 文科省は来年度から全国の大学の教職課程で「学校安全への対応」の必修を決めている。多くの大学では年間数コマの授業となる見通しだが、岩手大は1年次に14コマ、2単位からなる「学校安全学と防災教育」という新科目として文科省に申請中。学校管理下で子どもの犠牲者を出さなかった本県の学校対応や防災教育、他県の事例について講義を行い、2年次以降はフィールドワークを含めた選択科目で理解を深める。

 さらに、社会科や理科、保健体育など複数の科目をまたいでいる同分野を統合した学問研究を促進。教員養成だけでなく、学校の指導や教員研修に活用できる実践的なカリキュラムの開発などを進める。専門の付属機関を設けることで、全国の教育関係者への研究成果の提供や研修の受け入れなども視野に入れている。