震災復興が着実に進んでいる証しだろう。最近、一戸建てで再建を果たした知人宅に招かれることが多い。随所にこだわった念願の新居。とりわけキッチン周りの工夫の説明は熱を帯びる

▼一方、災害公営住宅のキッチンは限られたスペースながら、調理器具のすっきりしたレイアウトは見事。「あり合わせしかないけど」などと謙遜しつつ、数々の手料理でもてなしてくれる。手早くて、おいしい

▼山田町で先週末、県文化振興事業団埋蔵文化財センターの復興発掘調査展と報告会が開かれた。縄文の大集落や古代の製鉄炉などの調査成果が、来場者の関心を集めた

▼目玉の一つが、石峠(いしとうげ)Ⅱ遺跡から出土した竪穴住居跡の炉。石を「日」の字の形に組んだ「複式炉」と呼ばれるタイプだが、その周りにぐるっと石を飾っている。県内でも類を見ないという。このこだわりは何か

▼各地の縄文遺跡の取材経験からしても、こんなゴージャスな炉は見たことがない。沿岸部のキッチン見学経験を加味すれば、縄文人の心情が分かるような気がする。私見だが、この炉は、三陸の台所こだわり文化、おもてなし文化の考古学的実証である

▼内閣改造で、同町出身の鈴木俊一五輪相が退任した。東京五輪は「復興五輪」であり、おもてなし精神が欠かせない。後任の五輪相は、しっかりと受け継いでほしい。