「民俗芸能の宝庫」といわれる本県が、保存伝承の上で困難に直面している。少子高齢化や人口減少による担い手不足の問題を抱え、年を追うごとに深刻さが増している。北上市民俗芸能団体連合会(菅原晃会長)が加盟63団体を対象に行った初の実態調査の結果が30日まとまり、回答した団体の約4分の1が今後の継承見込みについて「困難、分からない、休止中」とした。県内各地でも同様の悩みは多く、次世代に地域の宝をつなぐための工夫や努力が求められている。

 北上市大通りのおでんせプラザぐろーぶで同日開かれた民俗芸能セミナー。発表されたアンケート結果では、回答した47団体のうち11団体が今後の継承見込みについて「困難、分からない、休止中」とした。運営の悩みでは、後継者不足や指導者の高齢化などが上位を占めた。

 参加した約60人のうち、飯豊鬼剣舞保存会の斎藤敏夫会長(63)は「自分たちの世代で大人の踊り手が途切れ、あとは小学生約20人が活動の中心となっている。中学生になると来なくなる子どもがほとんどだ」と悩みを語った。

 セミナーではアンケート結果を受け、子どもの芸能体験の実施、地域外の人材を活用した担い手確保など10の方針を共有。菅原会長(71)は「連合会の加盟団体は設立した1992年の74団体から徐々に減少している。市内の民俗芸能全体が良くなるよう10、20年後を見据えて着実な取り組みを進めたい」と話す。