がんの免疫治療薬開発に道を開いた本庶佑(ほんじょ・たすく)京都大特別教授(76)のノーベル賞受賞決定を喜ぶ共同研究者が本県にいる。1日付で同大医学部准教授から岩手医大医学部産婦人科学講座の主任教授となった馬場長(つかさ)さん(44)=神戸市出身=だ。馬場さんは「長年の研究が世界に認められたのは大変うれしい。基礎研究を続けている日本の研究者も勇気づけられる」と今回の受賞の意義をかみしめる。

 馬場さんは、免疫治療薬「オプジーボ」が実用化される以前の2011~14年、本庶さんらと共に、卵巣がんの患者20人を対象に薬の効果を試験した。当時は京都大医学部付属病院婦人科の病棟医長で、患者の診療を担当した。

 本庶さんの薬を実際の患者に使った最初の実験で、患者の腫瘍が小さくなったり、なくなるなどの効果が出た。これを機に、肺がんや大腸がん治療への活用が進んだ。成果は15年に論文で発表され、馬場さんは本庶さんを含めた21人の共同研究者に名を連ねた。

 馬場さんは「日本の研究者にとって、自分が研究したことが生きている間に実薬となり、臨床に結びつくというのはなかなかないこと。ノーベル賞受賞が研究者や学生の励みになる」と力を込める。