支局に10月に着任し1カ月足らずだが、もう3回泣いてしまった。入社から1年半、紙面編集の部署に勤め初めての外勤。ただ、それでつらい思いをしたのではなく、取材中に思わず感涙してしまったのだ。

 8日に陸前高田市広田町の鶴樹(つるき)神社例大祭で奉納されたはしご虎舞。地上17メートルという、高所恐怖症の私には想像もしたくない高さのはしごの上で繰り広げられる舞はただただ素晴らしく、自分でも驚くことに涙が出た。

 19日の住田町の住田高創立70周年式典では生徒が気仙町けんか七夕太鼓を披露した。クライマックスに達するにつれ、ばちを吹っ飛ばすほどの勢いでたたき続ける姿に心を打たれた。

 20日の陸前高田市の気仙小学習発表会では6年生の劇「高田松原ものがたり」に感動させられた。児童がおのおの叫んだ大好きな高田松原を取り戻したいという言葉は、実際に児童が書いた作文からの引用だという。松原への思いの強さがひしひしと伝わってきて、視界がにじむのを止められなかった。

 ところが、感動してもその素晴らしさを文章にするのは難しい。写真もうまく撮れず歯がゆい思いをしている。ただ泣いている場合ではない。人々の熱いパワーが伝わるような記事や写真を届けられるよう、日々努力していきたい。

(小野寺唯)