発掘調査が進む花巻市南万丁目の「万丁目遺跡」から、大規模な掘立柱建物跡など12~15世紀前半の居館跡が見つかった。出土した素焼きの器「かわらけ」の特徴から、12世紀に栄えた奥州藤原氏の一族で、紫波町南日詰周辺を拠点とした比爪(ひづめ)氏と深い関わりがあったとみられる。当時平泉に次ぐとされた「比爪」の勢力が花巻市周辺にも及んでいた可能性が初めて示され、東北ほぼ全域に及んだ奥州藤原氏の支配構造を解明する重要な発見だ。

 確認された柱穴は4200個。掘立柱建物は、同時代ではないが総計約170棟とみられる。奥州藤原氏関連の遺跡に特徴的な渥美産陶器や中国産青白磁、比爪産とみられるかわらけも見つかった。

「比爪」との関わりを示す赤いかわらけ。上は幅約2.5センチ、下は幅約5センチ

 遺構の中心は東西約80メートル、南北約50メートルの範囲が溝で区画された居館跡。内部には主殿らしき南北24メートル、東西11メートルの掘立柱建物などがある。北西側には曲線の土坑があり、形状や規模から池の跡と推定される。東北では福島、山形両県でしか見つかっていない中世居館の庭園の可能性がある。

 万丁目遺跡は県埋文が圃場整備に伴い4月から調査。対象面積は1万1500平方メートル。27日午後1時半から現地説明会を開く。問い合わせは県埋文(019・638・9001)へ。