第4次安倍改造内閣の初陣となる臨時国会は、きょう24日に召集される。会期は12月10日までの48日間。統一地方選や参院選を来年に控え、与野党の対決ムードはいやが上にも高まるに違いない。

 西日本豪雨や大阪府、北海道の地震などに対応する補正予算案をはじめ、政府提出法案では、深刻な人手不足を背景とする入管難民法改正案に注目が集まる。さらに来年10月の消費税増税に関わる議論や、首相悲願の憲法改正に関連した動きも想定される。

 疑念がくすぶる森友、加計学園問題に加え、障害者雇用の水増し問題、閣僚の資質や「政治とカネ」に絡む疑惑など、政治や行政の信頼を揺るがす懸案も山積する折、国会は言論の府にふさわしく、各方面で国民の負託に応え得る議論を心掛けてもらいたい。

 安倍晋三首相は初日に所信表明演説を行った後、25日から3日間の日程で訪中。26日に北京で習近平国家主席、李克強首相と会談する。日本の首相として中国を公式訪問するのは7年ぶりという。

 衆参両院での各党代表質問は、帰国後の29日から31日にかけて実施の方向だ。安倍首相としては、訪中の成果をてこに論戦を優位に進めたいところだろう。

 民主党政権下の2012年に沖縄県・尖閣諸島が国有化されて以後、極度に悪化した日中関係に改善の兆しが目立ち始めたのは、米トランプ政権による対中圧力が厳しさを増すのと軌を一にする。

 トランプ氏は、新たな貿易協議で日本にも圧力の矛先を向けている。そうした動きが日中それぞれに相手国への接近を促したという意味で、目下の雪解けムードは「トランプ効果」と言えようか。

 とはいえ、尖閣や歴史認識などを巡る対立は棚上げしたままの協調路線は、おのずとリスクを伴う。中国への接近は、翻って米国との関係を問い直すことにもなるだろう。日本の針路に関わって、政権の外交姿勢は今国会でも主要な論点に違いない。

 首相は11月中旬も、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議や20カ国・地域(G20)首脳会合に臨むなど外遊が立て込む。新年度予算案編成や税制改正が本格化する年末を前に、会期の大幅延長は難しい情勢とされ、審議日程は窮屈になりそうだ。

 連続3選された先の総裁選では、対抗馬の石破茂元幹事長が殊の外善戦。沖縄県では知事選に続き那覇市長選などでも政府、与党系候補が敗れるなど、政権への逆風が顕在化。この状況で、おいそれと数で押すわけにも行くまい。

 内外の懸案に、いかに丁寧に理をもって向き合うか。政権の仕上げに掛かる安倍首相の本領が問われる国会だ。