遠野市上郷町の遠野味噌醤油(みそしょうゆ)(柄沢(からさわ)靖彦社長)が今夏から製造販売する「青なんばん一本漬」への注目が高まっている。本年度のいわて特産品コンクール食品部門での最高賞受賞を追い風に、一気に同社の売れ筋に成長。パッケージをかわいらしく工夫したことで若い世代の関心も集まっている。食生活の変化などで苦戦傾向の漬物業界にあって、商品の見せ方で新たな需要を掘り起こす好例と言えそうだ。

 「一本漬」は、朝夕の2回、もぎたての地元産青唐辛子をすぐにしょうゆだれに漬け込み、冷蔵庫で約1カ月熟成させる。名前の通り1本ずつ透明の袋に入れてパッケージ化し、最後に愛らしい「目」を付けて完成。常温で90日間保存でき、長期保存用は冷凍庫の活用で通年販売が可能だ。

 約20年前から製造を始め、量り売りがメインだった青南蛮漬は、大根もろみ漬や大辛どべっこ漬といった売れ筋に比べ注目が集まる存在ではなかった。「味には自信がある。いかに手に取ってもらうか」。池上会長は考え抜き、キャラクターにも見えるパッケージデザインを打ち出した。

 値段は1袋税抜き100円。素材の単価は上がったが、量り売りに比べ食べ残しの心配がなく、手頃な値段設定で消費者が手に取りやすくなった。「既存の商品も、売り出し方の工夫一つで価値が高まることを学んだ」とほほ笑む池上会長。「今後も消費者目線の商品を提供していきたい」と意欲を高める。