岩手日報社発行の文芸誌「北の文学」第77号の優秀作は、奥州市水沢中田町の瀬川健(たけし)さん(54)の小説「きのうの窓、明日の空」、盛岡市みたけの松本秋実(あきみ)さん(49)の小説「東京、再訪」に決まった。

 瀬川さんの作品は、心に闇を抱えた若い女性が人々との関わりを通して、人生を前向きに歩き出す姿を描いた。日常を鮮やかに切り取り、物語を巧みに展開した。応募は4回目。76号で初入選した。

 松本さんの作品は、中年女性がかつて暮らした街を夫に内緒で訪れ、別の男性との思い出をなぞる物語。夫婦の危うい関係を緊張感のある文章で表現した。4回目の応募で、初めての受賞となる。

 77号の応募は、小説19編、文芸評論1編、戯曲1編。事務局の選考を経た小説8編、文芸評論1編を最終候補とし、盛岡市内丸の本社で選考会が12日に開かれた。編集委員の鈴木文彦さん(東京都、盛岡市出身)、斎藤純さん(盛岡市)、久美沙織さん(長野県、盛岡市出身)の合議で優秀作2編、入選作3編を選んだ。

 優秀作(賞状と賞金10万円)と入選作(賞金1万円)は、11月中旬発売の「北の文学」77号に掲載する。