沿岸南部に大学生が戻ってきた。岩手大農学部食料生産環境学科水産システム学コースの1期生14人(3年)は今月から、釜石市平田の釜石キャンパス・三陸水産研究センター(田中教幸センター長)で学ぶ。学生たちは地区内の定住促進住宅で共同生活をしながら、卒業研究などに取り組む。東日本大震災以降、定住する大学生がいなくなっていた沿岸南部。復興と水産業の未来を開こうと研究に励む若者の存在は、地域に活力を与えている。

 14人は北海道や東北、関東などから集まった。本県出身は5人。入学後は盛岡市上田のキャンパスで一般教養などを学び、今月から釜石市に移った。専門科目の講義を受け、希望する研究室でも学ぶ。

 最多の8人が所属する後藤友明准教授(水産資源生態学)の研究室では早速、卒業研究を検討中。サケ稚魚の生態や大槌湾の生物組成の研究など、地域漁業の課題をテーマに据える。

 陸前高田市高田町出身の村上涼さん(21)は、ホタテの成長を妨げる天敵ザラボヤの研究を計画。「生物に興味があり、震災復興に携わる仕事がしたいと考えた。卒業後は公務員になり、漁業者との橋渡し役になりたい」と意欲を見せる。11月には宮古沖での漁業実習も予定する。