中央省庁の障害者雇用水増し問題が波紋を広げる中、県内では障害者が生き生きと働ける場を創出する民間の工夫が続いている。奥州市江刺伊手のリンゴ園、菅野農園(菅野千秋園主)では、市内の福祉施設を利用する障害者が15人作業。葉摘みなど一人一人の適性に合った作業で農繁期を支える。県内の民間企業の障害者実雇用率は法定雇用率を上回るが、雇用ゼロの企業も3割近くある。対応を始めた企業もあり、障害者が輝く社会へ現場は模索する。

 同農園では、就労継続支援B型事業所わかくさ(同市江刺岩谷堂)とえさしふれあい工房(同)の利用者計約15人が日替わりで作業。約5・5ヘクタールのリンゴ畑で、実の色づきを均一にするための葉摘みや蜜入り検査などを担う。

 岩手労働局によると、県内の民間企業(50人以上、939社)で雇用されている障害者は3089人(2017年6月1日現在)。実雇用率は2・16%で、2年連続で法定雇用率(当時2・0%)を上回ったが、法定雇用率未達成は399社(42・5%)、雇用ゼロは257社(27・4%)という実態もある。

 奥州市内で9月に開かれた県南地区障害者就職相談会では、求職者92人が来場。今後雇用を目指す企業の出展も目立った。同市の菓子店フルールきくやの大沢章製造部長は「障害は一人一人違う。知識や対応の勉強を進めているが、不安は残る」と模索する。