歌と踊り、演技で遠野物語の世界を表現する全校活動「遠野の里の物語」を37年間続ける遠野市の遠野小(坂下明洋校長、児童255人)は20日、同市新町の市民センター大ホールで初の一般公演に臨む。地域プロデューサーの富川岳(がく)さん(31)=同市宮守町=が演出に協力。ミュージカルさながらの舞台に仕上がった。休憩時間や夏休み返上で練習してきた児童らは、先輩が紡いだ伝統に新たな歴史を刻もうと気合が入っている。

 17日は本番会場で学習発表会を兼ねたリハーサルを実施。低、中、高学年ごとに、歌と打楽器のリズムが軽快な「カッパ・万吉じさま」、元気の良さが特徴の「遠野お山節」、感情豊かな表現に引き込まれる「五百羅漢・おしらさま」を演じ、舞台の感触を確かめた。

 遠野の里の物語は音楽、国語、体育を融合した同校独自の授業で、1982年度から開始。全校オーディションで配役を決め、1年がかりで週2時間ペースの練習に取り組む。

 一般公演への挑戦は、将来への継承を見据えてのもの。坂下校長が「学校内だけでなく、まちの宝として広く市民と価値を共有し、高めていきたい」と発案。昨年初めて鑑賞した富川さんはレベルの高さに衝撃を受け、「現代の遠野物語を伝承する活動に、さらに光を当てたい」と協力を申し出た。