岩手大地域防災研究センターの土井宣夫客員教授(66)=火山地質学=と釜石市消防団(山崎長栄団長)は2018年防災功労者内閣総理大臣表彰を受けた。土井客員教授は長年にわたり本県の噴火史解明に尽力し火山防災に貢献。同消防団は17年5月に同市内で発生した大規模な林野火災の消火活動に奮闘した。

「噴火の歴史をより詳しく調べていきたい」と意欲を新たにする土井宣夫客員教授

噴火史解明へ力 岩手大研究センター・土井客員教授

 土井客員教授は1975年から県内の噴火史調査に力を注ぐ。岩手山をはじめ、秋田駒ケ岳、栗駒山、八幡平で地質調査などを行い、噴火の時期や火山灰が届いた範囲などを調べている。これらは火山のハザードマップ作成など防災を推進する上で欠かせない情報として活用されている。

 火山活動の評価も担う。岩手山の噴気観測は99年から毎日欠かさずに続け、記録したノートは76冊に達した。栗駒山でも2006年から年2回、現地で噴気を調べる。現在は本県の火山防災協議会委員のほか、内閣府の火山防災エキスパートを務める。

 静岡県菊川市出身。民間企業などを経て09年岩手大教育学部教授、退職後の17年4月から現職。表彰に感謝し「火山の歴史を知ることが防災の基本であり、スタートだ。噴火の歴史解明に向け思いを強くした」と研究への熱を高める。

2017年の林野火災で炎が尾崎神社の奥宮に迫る中、消防活動を展開した釜石市消防団員(同市提供)

林野火災で奮闘 釜石市消防団

 釜石市消防団は、昨年5月に同市平田(へいた)の尾崎(おさき)半島で発生し、約413ヘクタールを焼いた林野火災で全分団が出動した。強風と乾燥に加え、三陸特有の立ち入りが困難な険しい山という悪条件。消火は難航したが、延べ776人が効果的に活動した。

 火災発生直後には、地元団員の判断で定置網漁船で同半島北側の青出浜(あおだしはま)に向かった。青出浜にある尾崎神社奥宮の数メートル手前まで火が回り、プレハブの一部が焼失したが、早期の判断と必死の消火活動で奥宮への延焼は食い止めた。長期間にわたる活動に向けた態勢づくりや、安全管理も高い評価を受けた。

 表彰は東日本大震災後の12年に続き、2度目。山崎団長(71)は「地域防災の要として結束して訓練を重ね、いつでも、どんな状況下でも市民の命と財産を守るため活動していきたい」と力を込める。