【東京支社】国際リニアコライダー(ILC)の誘致実現に向け、30日に新執行部が発足した公明党の対応が注目されている。連立を組む自民党は超党派のリニアコライダー国際研究所建設推進議員連盟(会長・河村建夫衆院議員)や党関係組織による「誘致実現連絡協議会」を設立するなど政府に働き掛けを強める姿勢。政府の誘致判断へ大詰めの時期を迎えた。実現には政界でも幅広い後押しが必要とされ、公明党の動向が注視される。

 政界でのILC誘致に向けた取り組みはこれまで、同議連が政府への要望活動を続けてきた。議連には公明党から井上義久副代表(衆院比例東北)、斉藤鉄夫幹事長(同比例中国)らも参加している。

 同日の党大会で幹事長を退き、引き続き与党内で影響力を持つとみられる井上副代表。同党の対応について、岩手日報社の取材に「議連を中心に活動しており、党としてILCに関し正式な決定はまだしていない」と説明する。

 その上で「ILCは日本、東北の将来を考えると大きな意味があり、議連メンバーを中心に(従来の科学予算ではなく)国家プロジェクトとして位置づけた新たな予算の枠組みをつくることが必要だとコンセンサス(合意)はできている」と語る。

 国内外の研究者が年内の政府判断を求める中、文部科学省の依頼を受けた日本学術会議が検討委を設け議論を重ねるなど、誘致の動きは最終局面に近づく。

 政界でも賛同が広がることが期待され、自民党は18日に連絡協議会を立ち上げた。初会合には同党の二階俊博幹事長、東日本大震災復興加速化本部の額賀福志郎本部長、知的財産戦略調査会の甘利明会長、同議連の塩谷立幹事長、超党派の「科学技術の会」の細田博之会長ら有力議員が参加。政府への働き掛けを強める姿勢だ。

 多額の建設費が必要な巨大プロジェクト。実現には国民の幅広い理解が必要だ。連絡協議会代表の河村氏は「公明党にも議連の活動などを通じて協力を働き掛けたい」と動向を注視し、協力を期待する。

 井上副代表は「党科学技術委員会を中心に党内の議論を進めていきたい」と強調、対応を進める構えだ。