最大震度7を観測した北海道胆振(いぶり)東部地震は、液状化や大規模な土砂崩れ、地割れなど各地に甚大な被害をもたらした。地震から4週間近く経過した現在も生々しい爪痕が残り、被災した住民たちは今後の暮らしを描けずにいる。(北海道胆振東部地震取材班)

 被害が大きい厚真(あつま)、安平(あびら)、むかわの3町は、広範囲で土砂崩れや地割れが発生。厚真町では、山裾の住家が分厚い土砂の波にのみ込まれた。がれき撤去は進んでいるが、今もむき出しのままの山肌が衝撃の大きさを物語る。町民広場には壊れた家財が山積みにされ、災害ボランティアが分別に励む。

 同町は米どころで知られ、土砂崩れ現場周辺の水田には黄金色の稲穂が実る。収穫期を迎えたが、自宅や農機が被災し、身動きできない農家も多い。

 3町で計130戸の仮設住宅の建設も始まった。安平町の追分公民館で避難生活を送る有山文子さん(88)は「自宅は倒壊の恐れがある。どこで暮らせばよいのか。仲が良い地元の住民と離れ、仮設住宅で暮らすと思うと不安しかない」と声を振るわせた。

地震で深刻な液状化が発生した札幌市清田区里塚地区。住宅は傾き、地面から砂状の火山灰質の土壌が噴き出している=9月26日
土砂崩れ現場の前で、稲刈りに励む農家=9月29日、厚真町朝日地区
避難所での食事の時間。運営する自治体職員、住民同士が助け合い、苦難に立ち向かっている=9月29日安平町追分・追分公民館

広範囲にわたって土砂崩れが発生した北海道厚真町吉野地区。大量の土砂で山裾の住家がつぶされた=9月29日(本社小型無人機ドローンで撮影)