県内外の芸術文化や文芸の話題を届ける岩手日報の文化面。小山田泰裕学芸部長に昨年12月6日付紙面を基に紹介してもらいます。

(読者センター・礒崎真澄)

 -文化面はどのような内容・構成ですか。

 県内の美術、演劇、音楽などの催しや、文学、文化財などの研究成果、県内在住や本県出身の作家、音楽家、団体などの活動を紹介しています。共同通信の配信記事は国内外の美術、文学、歴史などの話題や作家インタビュー、文化人エッセーなどがあり、話題性や注目度に応じて紙面を組み立てています。

 連載小説と囲碁・将棋の観戦記、読者投稿の随筆「ばん茶せん茶」は基本的に毎回掲載しています。

 -この日の文化面の特徴を教えてください。

 盛岡市出身で国際連盟事務次長を務めた新渡戸稲造の顕彰活動に関するインタビュー記事を大きく扱いました。札幌市で開かれた初のサミットを取材し、活動の意義などを聞きました。

 展覧会記事は、作家の特徴が分かるように作品写真を掲載します。制作意図や技法などを分かりやすく伝えることを意識して記事にまとめ、読者が鑑賞できるように会期を考慮して掲載日を決めています。

 -「ばん茶せん茶」はいつから続いていますか。

 昔の新聞を調べると、終戦の7年後、1952(昭和27)年6月に夕刊再開を機に始まっています。当時は夕刊1面に掲載され、作家、大学教授ら著名人の寄稿でした。文化面に移った後に読者投稿となり、掲載を励みに文章を磨いている読者が数多くいます。

 -小説について教えてください。

 現在は、幕末に盛岡藩加判役(家老)を務めた楢山佐渡(ならやまさど)の生涯を描く小説を掲載しています。金ケ崎町在住の作家平谷美樹(ひらやよしき)さんの作品です。新聞連載は300回程度から長いと500回を超えることがあります。1日当たり400字詰め原稿用紙2枚半から3枚で、読みやすさや表現を考えて区切っています。挿絵担当の画家は原稿を読み、内容に合わせて描いています。

 -囲碁・将棋のコーナーもありますね。

 岩手日報社は、県内アマチュアの囲碁や将棋の大会を主催しています。大会結果の報道に加え、棋譜とともに対局を詳しく紹介するのが観戦記です。社外の囲碁や将棋に詳しい人に寄稿してもらいます。小中高校生の大会も紹介しているので、掲載を励みにしたり、参考にしたりして力を付けている人も多いようです。

 分野ごとに担当

 県内外の芸術文化を紹介する文化面。担当記者は部長、デスクを含めて4人います。専門分野の知識や人脈が特に大切です。文芸、美術、音楽、舞台、文化財などの分野ごとに担当を決めて、同じ記者が継続して取材するようにしています。

 新聞には、古くから芸術文化を支えてきた歴史があります。岩手日報は1876(明治9)年の創刊です。1901(明治34)年には盛岡中学(現盛岡一高)に通う石川啄木の短歌が紙面に載っているように、当時から作品発表の場としての役割を担ってきました。

 新聞のページが増えて文化面が独立するようになると、優れた美術作品や文芸作品、演奏会などを紹介する役割も増しています。小山田部長は「人々の心を豊かにし、時には癒やしたりする機会に出合う窓になれるように、感性を磨きながら取材したい」と語っています。