主張を述べ「新聞の顔」ともいわれる3面の「論説」や「紙面のオアシス」と呼ばれる1面コラムの「風土計」などを担当する論説委員会。菅原和彦副委員長に解説してもらいます。

(読者センター・礒崎真澄)

 -「論説」は、どのような記事ですか。

 「一般記事が事実について書かれているのに対し、新聞社としての主張や意見、提言、社会の指針になるような論評を行います。岩手日報の場合は、全国紙とは違い、岩手に根ざした視点から社会を論じています。権力を厳しくチェックする半面、日頃の生活では気付きにくいまちづくりや福祉なども取り上げます」

 -「社説」としている新聞社もあります。

 「岩手日報もかつては社説でしたが1983年10月1日付から『論説』に改め署名が入りました。『筆者の個性を生かし、それぞれの持ち味を発揮させた論説活動』が狙いです」

 「東日本大震災後『これだけの大規模災害を個人名で論じるべきか』と議論し署名は外すことにしましたが、それでも他社の社説より個人の考えが強く反映されています。年頭や3・11前後には署名入りで筆者のメッセージを伝えます」

 -「風土計」はどんなコラムですか。

 「読者と一緒に腹を立てたり、笑ったりできる日々の暮らしの中の喜怒哀楽が中心のコラムです。面白いエピソードや名言など、ちょっとした変化を付けた文章で、時にはスパイスを利かせた風刺や、歴史を重ね合わせることで、世の中の出来事を理解しやすく書いています」

 「『計』には『何事にも思案する』という意味があり、風土計は『風土を考える』というタイトルです。それ以前にもコラムはありましたが、この名前になったのは47年の元日号からです」

 -論説と風土計をどのように読んでほしいですか。

 「論説はとっつきにくい印象があると思いますが、休みの日に1週間分読んでみると世の中の重要な出来事が理解できます。自分の考えと比較して読むことで思考を深めることもできるでしょう。風土計は筆者の感性を感じてほしいと思います。難しいテーマもありますが、県民と一緒に考えていきたいです」

ベテランが担当

 論旨を明確にして主張する論説とユーモアや感情を込めながら柔らかく書く風土計を担当する論説委員には自在な思考力が必要です。菅原副委員長は「社会について日々考えながら、映画や読書などを通じ感性を磨きアンテナを高くしています」と説明します。

 岩手日報の論説委員は、記者経験が豊か。県内、国内外の予定を加味しテーマを話し合い、解釈を協議して執筆しています。やりがいは論説の指摘が社会に生かされ、風土計への共感が得られた時。エネルギーや交通、労働などの分野を担当する菅原副委員長は、三陸鉄道の震災からの復興が心に残っているといいます。

 ほとんどの新聞社が論説や社説のコーナーを持ち、主張しています。風土計は540字、論説は約千字。いかに論や話題を短い文章の中で展開するかが腕の見せどころ。欠かさず読んでほしい二つのコーナーです。