盛岡市の仙北中(川村孝一校長、生徒606人)は12日、同校で県NIE協議会加盟の新聞社社員を講師に「新聞の読み方・作り方講座」を開いた。岩手日報のほか県内に支局・総局を置く中央、地方紙計5社の支局長らが出前授業。「新聞のいろは」を指南(しなん)した。生徒らは紙面の仕組みやさまざまな工夫に耳を傾け、スクラップや新聞作りなどの活動にプロのアドバイスを生かす。

 1年生(191人)全6クラスで岩手日報、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、河北新報の6人が講師を務めた。新聞は情報を価値判断し「あたま(トップ記事)」「かた」「へそ」と体に例えて記事を配置し1ページを構成することを解説。社によってニュースの扱いが異なったり、スタンス(姿勢)の違いがあるため読み比べる大切さも示した。

 岩手日報は、谷藤典男・編集局次長兼読者センター長が11日付の紙面を示し、東日本大震災の月命日に合わせた編集を震災後、継続していることを紹介した。「総合県民紙として、岩手のことを中心に国内・世界の動きが分かるように工夫している。人々の喜怒哀楽を伝えていきたい」と特徴を説明。中央紙の盛岡総局長は「地元の人が当たり前と感じている中に『財産』がある。岩手から全国に発信したい」と語った。

 生徒らは今後、スクラップ活動に取り組み、郷土の先人について学び新聞にまとめる。岩手日報の礒崎真澄・読者センター次長は、今春の選抜高校野球大会の紙面を題材に見出しづくりを指導。川村汐恩(しおん)さん(4組)は「見出しを考えるときのこつが分かった。これからの新聞作りに生かしたい」と笑顔を見せた。

 照井飛翔(つばさ)さん(5組)は「震災の月命日の紙面のことなどを初めて知った」、菅原咲花(えみか)さん(1組)は「インタビューのやり方は役立ちそう」と目を輝かせた。

 萩生田煌大(はぎおいたこうだい)さん(6組)は「今までスポーツ面しか読んでいなかったけど、ほかの面を少し読めば、今起きている事件や世界が分かると思った」とし、小野寺楓(かえで)さん(2組)は「新聞には今まで気付かなかったことを気付かせてくれる情報がたくさんある」、鈴木美佳さん(3組)は「新聞を身近に感じた。興味のある歴史の記事などを読んでいきたい」と、広がる世界を実感していた。

 1年生の国語を担当する長根いずみ教諭は「新聞を通じて情報を読み解く力、発信する力を高めたい。記者から直接教えてもらうことで、多くのことが生徒に伝わったと思う」と意義を語った。

 出前講座は、仙北中から県NIE協議会が依頼を受け、各新聞社に講師派遣を要請。来年夏の第23回NIE全国大会盛岡大会の機運を高める。