全国的に注目が集まるNIB(ニュースペーパー・イン・ビジネス=ビジネスに新聞を)。岩手日報社は、県内主要企業100社を対象に、人材育成・社員教育への新聞活用についてアンケートし、活用している企業は52社、活用していない企業が48社だった。営業活動やコミュニケーション能力向上への効果を認識する企業が多い一方で、積極的な取り組みは少なく県内の浸透はいまひとつだ。

 人材育成に新聞を使っている企業は業種別に「金融」が全10社、「繊維・化学・印刷など」と「情報通信」がともに6社中4社、「卸売・サービスなど」が8社中5社の順に割合が高かった。

 活用法(複数回答)は「新聞閲覧コーナーの設置」が24社で最も多く「回し読みや読んだ記事の発表」16社、「購読の呼び掛け」12社が続く。「読み方講座」(新入社員向け)は6社、同(一般社員向け)は1社だった。「回し読み」は記事の回覧による情報共有を社員教育の一環として捉える社が多く、「新聞購読費の補助」は2社あったが閲覧コーナー用の購入費で社員個人への補助はなかった。

 活用の理由や効果(複数回答)は「営業活動への効果」を挙げる企業が最多で34社、「コミュニケーション能力の向上」、「新商品の企画開発」が続いた。

 新人教育に利用する川嶋印刷(平泉町)は「幅広い考え方や知識が得られる」とし、岩手トヨタ自動車(盛岡市)は「営業マンには最新情報が必要」と説く。

 一方、活用していないのは「自動車販売」が8社中6社、「電気・電子・機械など」が19社中13社など。理由(複数回答)は「時間が取れない」16社、「ネットの方が便利」8社で、「その他」26社は「独自の教育システム構築」4社などのほか、「活用を検討」「発想がなかった。利用法を知りたい」など前向きな回答が5社あった。

 新聞購読を希望する若手社員に毎月2千円補助する岩田製作所(岐阜県関市)の岩田修造代表取締役は「新聞を隅々まで読み、表現する訓練は、発想力や情報をつなげる力、説明する会話力といった基礎能力を育てる。即効性はないが、社員は大きく成長し企業の発展に結び付く」と効果を語る。

 【調査方法】県内に本社・事業所がある企業(協同組合含む)100社を対象に4月中下旬に調査用紙を送付。同月末までに回答を得た。対象企業は売上高、業種、地域性などを考慮した。