メモを取りながら実践報告に聞き入る教師ら

 教育現場で新聞活用の輪を広げるNIE研修会(県NIE協議会主催)は12日、矢巾町広宮沢の岩手日報制作センターで開かれた。県立総合教育センター研修指導主事の早川貴之さん(44)が「国語の授業で新聞をどう読むか」をテーマに、社説の読み比べを通して学びを深める実践を発表。社会に開かれた生きた教材としての有効性を示し「指導者自身がどう読むかという視点を持って教材化に取り組むことが大切だ」と伝えた。研修会は2018年7月開催のNIE全国大会盛岡大会に向けて開かれ、今回が本年度1回目。

 早川さんは、中学3年の授業で▽リオ五輪開幕▽ポケモンGО▽山の日-などを題材にした2紙の社説を補助教材として提示。同じ話題を扱いながら、文章の展開や論旨が異なることに気付かせるため「肯定的な意見」「否定的な意見・課題」などを記した部分に4色の蛍光ペンで色を塗り分けながら読む方法を示した。

 指導者自身がやってみせることで生徒の意欲・関心を高めるとともに、学習課題が明確に。計4コマ分にわたる授業の様子を記録した映像では、グループで対話を重ねて自分の意見を発表し合う一連の活動から、学びが深まる生徒たちの姿が見てとれた。

 早川さんは「身につけさせたい力に活動を合わせるのが前提」とした上で「社会の生きた題材に触れられるのは新聞の特長だ。ちょっとしたこつを知っていれば、教材化することは難しいことではない」と助言する。

 研修会には県内各地の小中高校、専門学校の教諭ら約20人が参加し、情報交換も行った。大槌学園(大槌町)5年担当の多田俊輔さんは「9年の一貫教育という本校の特性を生かし、最終ゴールを目指しながらNIEを展開したい。あまり大げさに考えず、台風の時季は天気図を使うなど、タイムリーな話題・教材として新聞を使っていきたい」と語る。

 同学園8年社会科担当の武田啓佑さんは「社会科でも読解力が必要。国語と結び付けられるのではと考えながら聞いた。自分の意見を発表・表現することも大切で新聞は重要だ。現実の社会にある話題を示し『えー、そうなんだ』というような驚きを大切にしたい」と述べた。

 沼宮内高(岩手町)の山下佳子さんは「小学、中学までに学ぶ内容を改めて知った。また、高校生にとってもグループワークなどの手法が生きてくるのではないかと感じた」と今後の取り組みにヒントを得ていた。

【写真=メモを取りながら実践報告に聞き入る教師ら】