新聞は「岩手日報」の題字のある1面から始まります。大きい見出しに、大きな写真。政治、経済、社会など記事の内容はさまざま。見出しやレイアウトなど、新聞全体を作る整理部の阿部知彦専任部長に3月11日付朝刊を題材に岩手日報の1面を解説してもらいます。

(礒崎真澄)

 -岩手日報の1面はどんな記事で構成されますか?

 「1面は新聞の顔。政治、経済から事件・事故、生活情報まで一番大きなニュースを掲載します。今年の3月11日は東日本大震災6年の節目の日。被災者に寄り添う地元新聞社としては、復興を後押しするとともに、今も困難を抱える人々に焦点を当てる記事が最も大事なニュースでした」

 「一方で、陸自南スーダン撤収、韓国大統領失職も普段ならトップ記事になる出来事。岩手、国内、世界のニュースを扱う総合紙としては、読んでほしい記事満載の紙面になりました」

 -目次や天気予報も詳しいですね。

 「一日の紙面は通常30ページ前後。たくさんのニュースに接してもらうため、話題性の高い記事をピックアップし、写真や記事の要約を加えるなど毎日工夫しています。天気予報は大切な生活情報。読者目線の紙面作りも欠かせません」

 -目次の上にある「一歩一歩 ともに」は?

 「震災後の『立ち上がろう岩手』に続く岩手日報社としてのメッセージです。県民みんなで手を携え、復興に向けて共に歩もう-との願いを込めています」

 -ほかのページも含め、読み方のこつは?

 「まず、ニュースを短い言葉に凝縮した『見出し』に目を通してください。次に『前文』といわれる第1段落。記事は大事な要素から書く逆三角形が基本で前文は記事を要約している部分。時間のない朝は、この二つを読むだけで世の中の動きが分かります。詳しくは休み時間や帰宅後に。紙面を作る整理記者が『読んでほしい』と感じた話題やニュースはレイアウトや見出しを工夫しています。その点を追うのも面白い読み方です」

特ダネ、コラムも

 1面の数本の記事は、たくさんのニュースから厳選されたトップニュース級で構成されます。阿部専任部長が「限られたスペースに、どの記事を入れるか。その判断が大切」と言うように、ニュース感覚と効果的な掲載手法が勝負になります。

 3月11日の紙面は、第89回選抜高校野球大会の県勢の組み合わせが記事なしで載っています。詳細はスポーツ面に任せ、エッセンスだけを見出しの形で伝える技術で、ビッグニュースが多い日などに使われます。

 1面には、政治、経済、事件・事故など、ほかの報道機関に先駆けて報じられる「特ダネ」が掲載されることも。写真もニュースや季節を伝える情報です。

 論説委員会が担当するコラム「風土計」は毎日掲載。時事問題を論じたり、身近な出来事を取り上げたりと日々、考えるヒントが詰まっているお薦めのコーナー。硬いニュースから心温まる話題まで、毎朝、よりすぐりのニュースを届けます。