全国の高校でNIEの活動が深まりをみせている。スーパーグローバルハイスクールや進学校のほか、商業高、工業高で工夫を凝らした教育が実践され、3月に都内で開かれた全国高校NIE研究会の第15回全国大会では発表校の取り組みが注目を集めた。昼間一雄会長に高校における新聞活用の効果を聞いた。

 (聞き手 読者センター・谷藤典男)

 -研究会はどんな組織。

 「高校教職員らを対象に2002年に発足した。目標は『新聞を読む高校生を育てる』『授業の活性化に新聞を利用する』『新聞活用で多様化する大学入試に対応する』『会員相互の研さんと交流』の4点」

 -高校生にとってNIEはなぜ必要なのか。

 「グローバル化が進展し、未来を担う高校生には世界と向き合うことが求められる。新聞活用で言語活動の育成や社会への関心が深まり、人間関係が豊かになる。読解力の低下などが心配される中、成果をあげている」

 「子どもたちの新聞・活字離れ打開のため、高校でのNIE推進は重要だ。新聞は教科指導やホームルーム、キャリア教育などさまざまな広がりを創造できる宝の山。生徒の目に触れさせる機会は無限にある」

 -資質や能力を培うためには、どうするべきか。

 「アクティブ・ラーニング(AL)の推進が提言されている。ALは教員による一方向的な講義形式ではなく、問題発見・解決学習、体験学習、フィールドワークのほか、教室内でのディスカッション、ディベート、グループワークが含まれ、新聞は効果的な活用手段といえる」

 「高校は学力や教育内容によりさまざまなタイプがあり、状況に応じ工夫ある教育が実践されている。新聞活用で授業の改善や学習意欲の向上、一般常識の定着、規範意識の醸成、中退率の改善、就職・大学入学試験の合格率向上などを目指している。教師が新聞に関心を持ち、話題になるような記事を示すなど生徒の意欲を引き出すことが重要だ」

 -NIE全国大会は来年7月に盛岡市で開かれる。注目する点は。

 「東日本大震災から6年たっても、なお厳しい被災地の現状に触れ、震災を風化させずに支援継続の必要性を再確認する重要な機会だ。困難な中で、どのように生きる力を奮い立たせて教育が行われ、NIEが関わっているのか。震災発生時の新聞社の奮闘ぶりなどについても知りたい」

 昼間 一雄さん (ひるま・かずお)明治大卒。都立芝商教諭、葛飾商副校長、赤羽商校長を経て4月から葛飾商校長。16年から全国高校NIE研究会長。57歳。東京都出身。