NIEノートにまとめた内容をお互い発表し合う岩泉高の2年生

 昨夏の台風10号豪雨で大きな被害を受けた岩泉町。町中心部にある岩泉高のNIE実践指定は3年連続3回目。2年生の家庭科で実施、担当の岩﨑紗智子教諭によると「暮らし全般を新聞で豊かにしよう」という位置づけだ。

 年5回のNIE授業は、生徒が各紙を読んで興味ある記事を選び、「NIEノート」にまとめる。選んだ記事を貼り、分からない言葉は調べる。重要と思った部分に線を引き、要約と感想をまとめ、見出しも自分なりに付け直す。完成後は発表し互いに評価する。

 思考、判断、表現力の向上を目指すとともに、身近な課題や問題に目を向け、考える力を養う狙い。岩﨑教諭は「回数を重ね、興味を持つ記事も増えた。新聞を要約して考察する思考力は養われおり、今後は人前で発表する表現力を磨かせたい」と語る。

 生徒が選ぶ記事は、米大統領選から地元の伝統芸能、音楽コンサートまで多岐。普段は記事を読む習慣はない生徒が多いが、NIE授業を通して新聞に対するイメージが変わった生徒もいるという。

 工藤未悠(みゆ)さんは「家ではあまり新聞を読まなかったが、読んでみて政治経済の分野や県内で活発に行動する人など、たくさんの話題に触れることができ興味の幅が広がった」と語る。

 台風10号豪雨後は、自然災害や復興、防災がテーマの記事にあらためて関心を持つ生徒も多い。中には他地域で被災した状況や、地域を盛り上げようと奮闘する若者の姿に触れ、自分もその地域を励ましたいと思う生徒もいた。

 高屋敷玲奈(れいな)さんは、気仙沼市で高校の旧校舎が震災遺構となった記事をもとに感想をまとめた。「岩泉も台風被害があり、東日本大震災のときを思い出した。被害にあった建物を保存して、未来に残すことに興味を持った。建物の外観は恐ろしいが、残していく意味を知った」と、新たな考えを学んだ。

 【県立岩泉高】 茂庭隆彦校長、6学級、生徒144人。校訓は「立志 邁(まい)進 才知 共生」。岩泉町小本地区の中野七頭舞を演ずる郷土芸能同好会が活躍し、県内外のイベント等で披露している。岩泉町岩泉字松橋4。電話0194・22・2721。