津波てんでんこ
 津波に首まで漬かり命からがら助かった人がいます。今後の生活に不安いっぱいだけど、避難所の仲間を励まし続ける人がいます。一人一人の震災体験、生活再建の歩みを共有し、語り継ぎたい。被災地の方々のメッセージを紹介します。

 「てんでんこ」の意味 人にかまわず逃げろ

 本紙掲載の「津波てんでんこ」のタイトルカットは、大船渡市三陸町綾里の津波災害史研究者、故山下文男さんが揮毫(きごう)しました。「てんでんこ」は「てんでんばらばらに」の意味で、「人にかまわず必死で逃げろ」と、山下さんが訴え続けてきた言葉です。揮毫に当たり、今回の津波で自らも被災した山下さんは「津波対策はハード、ソフト両面あるが、特にソフト面が非常に大切なことが証明された。各家庭で津波の時にどうするか、考え続けてほしい。それが集まることで真の対策となる」と思いを込めています。
▼2月24日
若者でにぎわう町に
大槌町小鎚 特別養護老人ホーム「らふたぁヒルズ」職員 岩間 由華さん(28)
 震災が発生した時は仕事中で、入所者の避難誘導に当たった。施設は避難所になり、200人以上の人が避難した。自宅は旧役場庁舎の近くで、全壊した。大槌は復興が遅れていると感じたが、家も少しずつ建ち始め、道路も開通してきた。若い世代が町を離れていくのが不安だ。若者が安心して暮らせる町になってほしい。
▼2月23日
教訓生かす意識 常に
宮古市蟇目(ひきめ) 宮古高3年 山口 彩奈さん
 東日本大震災は小学校6年生の時。これからどうなるのか不安に思った記憶がある。台風10号豪雨では蟇目地区でも大きく被災した家がたくさんあった。災害はこれからも起きるかもしれない。だから過去から教訓を学び、生かそうとする意識を絶やさないことが大切だ。春から仙台市の短大に進学する。自然がいっぱいの宮古の良さを忘れず頑張りたい。
▼2月22日
災害時、正確な情報を
洋野町有家 画家 工藤 貢司さん(33)
 東日本大震災の発生時は作品展の準備のため八戸市内にいた。大きな揺れに驚き、とにかく建物の外に出ることを考えた。時間がだいぶ経過してから車のテレビで津波が押し寄せていることを知り、避難所では原発事故などの曖昧な情報があった。緊急時に冷静に行動するのは難しい。正確な情報を早く伝え、知ることが大切だ。

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