津波てんでんこ
 津波に首まで漬かり命からがら助かった人がいます。今後の生活に不安いっぱいだけど、避難所の仲間を励まし続ける人がいます。一人一人の震災体験、生活再建の歩みを共有し、語り継ぎたい。被災地の方々のメッセージを紹介します。

 「てんでんこ」の意味 人にかまわず逃げろ

 本紙掲載の「津波てんでんこ」のタイトルカットは、大船渡市三陸町綾里の津波災害史研究者、故山下文男さんが揮毫(きごう)しました。「てんでんこ」は「てんでんばらばらに」の意味で、「人にかまわず必死で逃げろ」と、山下さんが訴え続けてきた言葉です。揮毫に当たり、今回の津波で自らも被災した山下さんは「津波対策はハード、ソフト両面あるが、特にソフト面が非常に大切なことが証明された。各家庭で津波の時にどうするか、考え続けてほしい。それが集まることで真の対策となる」と思いを込めています。
▼4月24日
避難訓練スムーズに
普代村白井 普代中3年 大上 華穂さん
 普代小中の合同津波避難訓練に参加した。高台までの移動は体力を使うが、スムーズに避難できた。東日本大震災の発生当時は小学2年生。揺れが収まった後、中学生が自分の手を引いて高台まで避難させてくれた。今では自分も中学生となった。再び大地震が起きたら、今回の訓練を生かし、今度は自分が小学生を誘導して安心させたい。
▼4月23日
新校舎で復興を実感
大船渡市赤崎町 赤崎小6年 東 脩蔵君
 震災の時は保育園に通っていた。当時園内にいたが、大きな揺れが起きてみんなで外に集まったのを覚えている。小学校では2校で合同授業を行い、4月に統合して新校舎に引っ越した。多くの人のおかげで使いやすい校舎が完成し、とても感謝しているし復興を感じている。統合後最初の最上級生として全校をまとめ、みんな仲良くルールを守れる学校にしていきたい。
▼4月22日
心のケア重視したい
大槌町小鎚 県立大槌病院長 坂下 伸夫さん(56)
 県立大槌病院に勤務して3年目になった。大槌町は震災で甚大な被害を受けており、患者さんも被災した方が多い。自分の出身も宮古市で、実家が被災した。大規模病院とは違い、最先端の医療器具などは設置できないが、患者さん一人一人に寄り添った対応ができるのが大槌病院の良さだ。これからも患者さんの目線に立ちながら、心のケアを重視した丁寧な診療を行っていきたい。

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