津波てんでんこ
〜被災地からのメッセージ〜
 津波に首まで漬かり命からがら助かった人がいます。今後の生活に不安いっぱいだけど、避難所の仲間を励まし続ける人がいます。一人一人の震災体験、生活再建の歩みを共有し、語り継ぎたい。被災地の方々のメッセージを紹介します。

 「てんでんこ」の意味 人にかまわず逃げろ

 本紙掲載の「津波てんでんこ」のタイトルカットは、大船渡市三陸町綾里の津波災害史研究者、故山下文男さんが揮毫(きごう)しました。「てんでんこ」は「てんでんばらばらに」の意味で、「人にかまわず必死で逃げろ」と、山下さんが訴え続けてきた言葉です。揮毫に当たり、今回の津波で自らも被災した山下さんは「津波対策はハード、ソフト両面あるが、特にソフト面が非常に大切なことが証明された。各家庭で津波の時にどうするか、考え続けてほしい。それが集まることで真の対策となる」と思いを込めています。
▼5月21日
運動会、地域の絆実感
山田町船越 佐々木あずささん(山田中1年)
 卒業生として、船越小の運動会を友達と一緒に見に来た。弟や後輩が一生懸命競技に取り組んでいる姿を見て、元気をもらった。会場は学校ではなく、陸中海岸青少年の家だったが、地域の人がたくさん応援に来てくれるのは変わらない。地域の絆を感じた。船越小は被災してしまったが、新しくなった校舎を早く見たい。
図書室を憩いの場に
陸前高田市広田町 公益社団法人職員 津田千亜希さん(28)
 オートキャンプ場のモビリア内に4月に開館したコミュニティー図書室で働いている。津波で知人や親戚、勤めていた美容室、思い出のある町の風景を失った。図書室のスタッフには、地域の人たちのためになる仕事をしたいと思い、応募した。幅広い年代の人に利用してもらい、住民の憩いの場になってほしい。
▼5月20日
絵手紙挑戦 前向きに
釜石市甲子町 主婦 植田 百合子さん(56)
 市内のみなし仮設住宅で暮らしている。被災者支援団体が主催した絵手紙教室に参加した。挑戦したいと思っていたので感謝したい。前向きな気持ちで頑張っていくために、絵手紙に「笑顔満開」と「あきらめない」と書き込んだ。一人でいるとさまざまなことを考えてしまうので、趣味などを通じて皆さんと触れ合えればと思う。
避難 普段から備えを
野田村野田 農業・漁業 畑村 定雄さん(78)
 3月11日はたまたま家の近くを通った消防車に乗せてもらい、高台に避難した。翌朝家の様子を見に行くと、海から遠いはずなのに近くまでごみが流れてきていて驚いた。普段から大きな地震がきたら、すぐに逃げられるよう準備をしているべきだし、家族がどこに行くか、把握できるようにしなければならないと思う。
▼5月19日
ソフト反響うれしい
久慈市西の沢 パート販売員 広崎 真美子さん(50)
 野田村の道の駅「ぱあぷる」で販売員をしている。道の駅は昨年4月ごろに再開し、産直などで食品を販売している。震災直後から名物「のだ塩ソフト」を食べたいという声が上がったのがうれしかった。ゴールデンウイークは埼玉や茨城県からの観光客もおり震災直後に比べ片付いたと言ってくれたのが印象的だった。
海でまた釣りしたい
洋野町種市 野口 英梨さん(種市小6年)
 小学校の活動で海浜清掃に取り組んだ。震災で壊れた船の部品などごみが多く大変だった。この活動が地域の人たちや海のためになればと思う。震災で海にたくさんの物が流失し、外国まで流れ着いたのを知って驚いた。お父さんの釣り船は少し壊れたが、奇跡的に残った。きれいな海でまた釣りをするのが楽しみ。

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