津波てんでんこ
 津波に首まで漬かり命からがら助かった人がいます。今後の生活に不安いっぱいだけど、避難所の仲間を励まし続ける人がいます。一人一人の震災体験、生活再建の歩みを共有し、語り継ぎたい。被災地の方々のメッセージを紹介します。

 「てんでんこ」の意味 人にかまわず逃げろ

 本紙掲載の「津波てんでんこ」のタイトルカットは、大船渡市三陸町綾里の津波災害史研究者、故山下文男さんが揮毫(きごう)しました。「てんでんこ」は「てんでんばらばらに」の意味で、「人にかまわず必死で逃げろ」と、山下さんが訴え続けてきた言葉です。揮毫に当たり、今回の津波で自らも被災した山下さんは「津波対策はハード、ソフト両面あるが、特にソフト面が非常に大切なことが証明された。各家庭で津波の時にどうするか、考え続けてほしい。それが集まることで真の対策となる」と思いを込めています。
▼1月16日
内陸から復興後押し
二戸市石切所 市職員 奥山 翼さん(26)
 派遣職員として昨年3月まで1年間、野田村で仮設住宅の管理に携わった。2016年の台風10号豪雨も現地で経験。住民の防災意識が高く、私たちも学ぶべきだと感じた。現在は二戸市の観光や特産品PRを担当している。野田村でできた新たなつながりを、イベント運営などに生かしたい。住民同士が交流できる機会をつくり、内陸から復興を後押ししたい。
▼1月15日
きれいな海残したい
釜石市唐丹町 唐丹小5年 鈴木 春花さん
 海上保安庁の図画コンクールで第二管区海上保安本部優秀賞に選ばれた。絵を描くのは好きだが、賞をもらうのは初めてなのでとてもうれしい。「ウニの殻をむいている人」をテーマにして、男の人を大きく描いた。ウニを描くのが難しかったが、自分で考えてうまく描くことができたと思う。海や漁師はとても身近。釜石の海のきれいな色が好きなので未来に残していきたい。
▼1月14日
命への責任感がある
陸前高田市竹駒町 市シルバー人材センター理事 中居 テル子さん(77)
 震災前、市シルバー人材センターには300人以上が登録していたが津波で多くの人が亡くなった。中には介護に行っていて体の弱い人と一緒に津波にのみ込まれた人もいた。てんでんこと言われても責任感がある。自分だけ助かるわけにはいかないと思ったのではないか。現在の会員は約230人。仕事のほかにサークル活動も行い、生きがいづくりにつながっていると思う。

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