津波てんでんこ
〜被災地からのメッセージ〜
 津波に首まで漬かり命からがら助かった人がいます。今後の生活に不安いっぱいだけど、避難所の仲間を励まし続ける人がいます。一人一人の震災体験、生活再建の歩みを共有し、語り継ぎたい。被災地の方々のメッセージを紹介します。

 「てんでんこ」の意味 人にかまわず逃げろ

 本紙掲載の「津波てんでんこ」のタイトルカットは、大船渡市三陸町綾里の津波災害史研究者、故山下文男さんが揮毫(きごう)しました。「てんでんこ」は「てんでんばらばらに」の意味で、「人にかまわず必死で逃げろ」と、山下さんが訴え続けてきた言葉です。揮毫に当たり、今回の津波で自らも被災した山下さんは「津波対策はハード、ソフト両面あるが、特にソフト面が非常に大切なことが証明された。各家庭で津波の時にどうするか、考え続けてほしい。それが集まることで真の対策となる」と思いを込めています。
▼5月25日
高い所へすぐ逃げる
普代村堀内 煤賀悠人君(普代小1年)
 学校の避難訓練で、階段で普代バイパスに上がった。高い所に行けてうれしかった。今日の訓練では「おさない、かけない、しゃべらない、もどらない」の約束を全部守れた。震災の時はおばあちゃんちにいて、ぐらっと揺れてからテレビを消してすぐ外に出た。地震の時はすぐに高い所に逃げるのが大事だと思う。
挑戦で日々を楽しく
大槌町小鎚 主婦 中村千代子さん(57)
 大槌町で開かれたヘアメークの体験会に参加した。プロから本格的なメークをしてもらい、気持ちも明るく新しい自分を発見できた。きれいになれば外に出かけたくなる。おしゃれも楽しみ。震災後はいろんなことに挑戦しようと心がけている。明日はどうなるのか分からないのだから。一日一日をより楽しく過ごしたいと思う。
▼5月24日
地元で高齢者支える
大船渡市立根町 片山 明香(あすか)さん(大船渡東高3年)
 介護関係の職場に地元就職して、高齢者を支えていきたい。住民やボランティアら多くの人たちが震災後、仮設住宅などで暮らす高齢者を支えていることを知り、私も関わりたいと考えるようになった。今年で震災から3年目だが、復興にはまだ遠い場所がたくさん残っている。将来は地元を離れず、復興に貢献していきたい。
健康第一 散歩が日課
野田村野田の泉沢仮設住宅 広内三太郎さん(90)
 健康が第一と思い、役場の体操教室に参加したり、毎日午前と午後に1時間ずつ散歩をしている。知り合いの家も津波で流されてしまったので、散歩の途中で立ち寄るところがなく、ただ歩いて帰って来るのを寂しく思っている。南浜の高台団地に引っ越す予定だ。一日も早く自分の家に明かりがつくことを願っている。
▼5月23日
親子遠足を楽しんだ
気仙沼市本吉町 会社員 小野寺 俊光さん(35)
正宗ちゃん(5)
 気仙沼市の大谷幼稚園の親子遠足で、招待を受けた一関市藤沢町の岩手サファリパークに初めてやってきた。ゾウに乗るのと、フラミンゴショーを楽しみにしていた。今は幼稚園が被災して小学校を間借りしている状態なので、広いところで伸び伸び楽しめるのがうれしい。
ウニの森 大きく育て
洋野町小子内 糸坪 叶(かなた)君(宿戸小5年)
 家が高台にあるため津波の被害はなかったが、他の地域ではたくさんの人が亡くなり、苦しかった。地元で行われた「ウニの森づくり植樹祭」に参加した。ウニの森づくりに協力したいとの思いで植えた。うまくできたと思う。震災から2年がたち、復興が進んでいるように感じる。大人になってもいいウニが採れたらうれしい。

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