津波てんでんこ
 津波に首まで漬かり命からがら助かった人がいます。今後の生活に不安いっぱいだけど、避難所の仲間を励まし続ける人がいます。一人一人の震災体験、生活再建の歩みを共有し、語り継ぎたい。被災地の方々のメッセージを紹介します。

 「てんでんこ」の意味 人にかまわず逃げろ

 本紙掲載の「津波てんでんこ」のタイトルカットは、大船渡市三陸町綾里の津波災害史研究者、故山下文男さんが揮毫(きごう)しました。「てんでんこ」は「てんでんばらばらに」の意味で、「人にかまわず必死で逃げろ」と、山下さんが訴え続けてきた言葉です。揮毫に当たり、今回の津波で自らも被災した山下さんは「津波対策はハード、ソフト両面あるが、特にソフト面が非常に大切なことが証明された。各家庭で津波の時にどうするか、考え続けてほしい。それが集まることで真の対策となる」と思いを込めています。
▼7月1日
みんなで良いまちに
八幡平市田頭 田頭小6年 工藤 桃葉さん
 社会科見学で宮古市を初めて訪れ、同市田老の震災遺構の「たろう観光ホテル」などを見学した。被災地を訪れたのは2回目で震災当時の話を聞き、言葉が出ないほど津波は恐ろしいと思った。もし私が被災したら悲しみでいっぱいになると思う。田老の大きな堤防が壊れてしまった話が一番印象に残った。みんなが手と手を取り合えばもっと良いまちに復興すると思うので頑張ってほしい。
▼6月30日
地元のため働きたい
宮古市近内 水産加工業工場責任者 沼里 祐介さん(32)
 サンマなどの鮮魚出荷や、イカのむき身などの魚介加工を扱う。加工工場は東日本大震災で被災し壊滅状態になったが、今年に入り新設した。宮古市の水産加工業には「宮古チーム漁火」など、自分と年があまり変わらない若い人が活躍し、志の高さに刺激を受けている。彼らのように自分の会社のためだけでなく、地元のために働く気持ちを忘れずに取り組んでいきたい。
▼6月29日
仮設巡回 会話が大切
大槌町赤浜の仮設住宅団地 主婦 東 久恵さん(57)
 仮設団地の支援員として一日4回巡回している。震災前は、父の食料品店を手伝っていたので人と接する機会も多かったが、店は津波でなくなった。今は支援員として住民の方と話す時間を貴重に感じている。震災でなくしたものは大きいけど、さまざまな出会いや支援によって、得たものも多い。前向きに声を掛け合いながら、明るい仮設団地にしていきたい。

トップページへ戻る